薬学用語解説
脂肪酸
しぼうさん
fatty acid
作成日: 2024年05月13日
更新日: 2024年05月13日
生薬天然物部会
© 公益社団法人日本薬学会
脂質の主要な構成成分であり、通常は天然脂質を加水分解して得られる脂肪族カルボン酸をさす。天然には直鎖状で炭素数が12~22の偶数個のものが一般的で、二重結合を有する場合そのほとんどがシス型の立体配置をとる。まれに、分枝鎖・水酸基・ケト基・トランス型二重結合・環状構造を有したり、炭素数が奇数の脂肪酸などもある。二重結合あるいは三重結合を有する脂肪酸を不飽和脂肪酸と総称する。脂肪酸は主にβ酸化を受けて代謝され、エネルギー源として利用されるが、α酸化、ω酸化などによっても代謝される。脂肪酸の生合成はアセチルCoAを出発物としてアセチルCoAカルボキシラーゼと脂肪酸合成酵素によって行われる。ヒト体内で de novo 合成できないために食事あるいは静脈栄養法により摂取しなければならない脂肪酸を必須脂肪酸という。