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薬学用語解説

メタボロミクス

作成日: 2024年05月13日
更新日: 2024年05月13日
生薬天然物部会
© 公益社団法人日本薬学会

細胞を構成する低分子、生命活動により生じる代謝物を包括的に解析することにより、生命現象を明らかにする研究分野のこと。代謝物の数はヒト、腸内細菌叢、植物などで多様性が存在しており、各種の試料が解析に用いられる。基盤技術としては質量分析技術があり、精密に質量数を読み取ることによって、低分子であれば組成式までを決めることも可能である。また特定の代謝物の同定ではなく、サンプル中に含まれる代謝物の原子間相互作用によって生じるラマン散乱光を金属ナノ粒子によって増強し検出する技術(表面増強ラマンスペクトル=SERS)も、低分子代謝物の同定に利用できる。質量分析技術、表面増強ラマン技術ともに組織切片などの空間情報を壊さずに代謝物分布を見る技術に展開することが可能で、imaging metabolomicsと呼ばれる。