薬学用語解説
コレステロール
cholesterol
作成日: 2024年05月09日
更新日: 2024年05月09日
生薬天然物部会
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C27H46O,分子量386.66.動物の主たるステロール。リン脂質とともに生体膜の脂質層を形成し、生体膜の流動性を調節している。また、種々のステロイドホルモン、ビタミンDや胆汁酸の前駆物質でもある。人体で必要なコレステロールの約60%は主として肝臓などの組織で合成され、残りは食物から摂取される。食物由来および肝臓などで生合成されたコレステロールはリポタンパク質の構成成分として血液を介して体内を循環する。血液中では主として、低密度リポタンパク質(LDL) や高密度リポタンパク質 (HDL)に存在している。コレステロールやその脂肪酸エステルを多く含むLDLはLDLレセプターへ結合後、細胞内に取り込まれ利用される。また、HDL により余分のコレステロールが末梢組織より回収され肝臓で処理される。コレステロールは肝臓において胆汁酸へと異化される。その第一段階は7位の水酸化で、全過程の律速段階である。