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薬学用語解説

モノテルペン
monoterpene

作成日: 2024年05月10日
更新日: 2024年05月10日
生薬天然物部会
© 公益社団法人日本薬学会

モノテルペンはイソプレン単位2個からなるC10化合物である。一般的に揮発性で芳香性があり植物精油の構成成分である。その生合成はジメチルアリル二リン酸(DMAP)とイソペンテニル二リン酸(IPP)の結合によって生成したゲラニル二リン酸(GPP)を生合成前駆体としていくつかの鎖状のモノテルペンが生成するが、代表的なものにバラの香りを持つゲラニオールやネロールなどがある。また、この構造の多様性は環化反応によりさらに拡大し、単環系または二環系の環状骨格が生じ、単環系モノテルペンにはハッカの精油主成分であるメントールや、柑橘系のリモネンなどがあり、二環性ではクスノキのカンファーや、自然界に最も多く存在するモノテルペンであるα-ピネンなどがある。