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薬学用語解説

ピリジン
pyridine

作成日: 2024年05月10日
更新日: 2024年05月10日
生薬天然物部会
© 公益社団法人日本薬学会

ベンゼンの炭素1つを窒素に変えた芳香族複素環式化合物。沸点115℃の弱塩基性化合物で、特有のにおいがある。ピリジン自体のにおいは悪臭に分類されるが、コーヒーのにおい成分のひとつでもある。ピロールと異なり窒素原子の非共有電子対は芳香族性に関与しないため塩基性を示す。また、電子欠乏性の芳香環で求電子置換反応を受けにくい点もピロールと異なる。有機合成では反応溶媒や塩基としてよく用いられる。ピリジン環を有している化合物としては、たばこの成分であるニコチン、補酵素であるNAD(P)+、ビタミンB6などがある。また、還元されるとジヒドロピリジンとなる。