薬学用語解説
ペクチン
Pectin
作成日: 2024年05月10日
更新日: 2024年05月10日
生薬天然物部会
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ペクチン (Pectin) とは、ガラクツロン酸 (Galacturonic acid)が α-1,4結合したポリガラクツロン酸が主成分であり、植物の細胞壁などに含まれる複合多糖類をいう。ガラクツロン酸のカルボキシル基がメチルエステル( methyl ester)化されたものをペクチン、メチルエステル化されていないものをペクチン酸(Pectic acid) とよぶ。天然ではガラクツロン酸の一部にメチル化が見られ、人工的に脱エステル化することによってペクチン酸が得られる。ガラクツロン酸の他にいくつかの多様な糖を含むことが知られる。分子量は約50,000~360,000で、特に植物の葉、茎、果実に含まれる。食品添加物としても使用される。EDTA、クエン酸、シュウ酸などのキレート剤と共に加熱することで可溶化され抽出される。