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薬学用語解説

セント・ジョンズ・ワート
St. John's wort

作成日: 2024年05月09日
更新日: 2024年05月09日
生薬天然物部会

セント・ジョーンズ・ワート(St. John's wort)は、ヨーロッパや中央アジアに広く分布するオトギリソウ科の多年草のセイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum)という植物種を指す。ハーブとして、抑うつ症、不安、無感動、睡眠障害、不眠症、食欲不振、自信喪失など多くの精神的症状に効果があるとされる。日本やアメリカなどではサプリメントとして販売されているが、ドイツでは医薬品として扱われている。本成分を含む製品の摂取により、シトクロムP450のCYP3A4やCYP1A2分子種などの酵素誘導が起こり、インジナビル(抗HIV薬)、ジゴキシン(強心薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬)、テオフィリン(気管支拡張薬)、ワルファリン(血液凝固防止薬)、カルバマゼピンなど多くの医薬品の代謝が亢進し、その薬理効果が減弱することが知られている。