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薬学用語解説

ステロイド
steroid

作成日: 2024年05月09日
更新日: 2024年05月09日
生薬天然物部会
© 公益社団法人日本薬学会

ステロイドは、ステロイド骨格と呼ばれる構造をもった化合物の総称で、生体内ステロイドには種々のステロイドホルモンや、胆汁酸、細胞膜の構成に重要な脂質であるコレステロールなどがある。ステロイドホルモンは、その機能から、性ホルモン、糖質コルチコイド(グルココルチコイド)、鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)などに分類されるが、糖質コルチコイドであっても鉱質コルチコイドのような塩類代謝作用を弱いながらも持ち、機能による分類は一応の目安である。病気の治療に用いられる「ステロイド」は、ステロイドホルモンを配合した薬品(ステロイド剤)のことであり、多くの場合は糖質コルチコイドである。スポーツなどでドーピング問題として取り上げられることがある「ステロイド」は、合成されたタンパク同化ホルモンのことが多い。強心ステロイド(強心配糖体)であるジギトキシンはジギタリス、ジゴキシンはケジギタリスの葉からとれる成分で、顕著な心収縮力増加作用を示し、心不全の治療薬となっている。