薬学用語解説
さく葉標本
作成日: 2024年05月09日
更新日: 2024年05月09日
生薬天然物部会
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さく葉標本とは、押し葉にして保存する植物標本のことである。研究用の標本は、花や実が付いたものを乾燥させ、定型サイズ(新聞紙の四つ折りくらい)の台紙に、植物名、採集年月日、採集場所、採集者などを記入したラベルとともに貼り付けて、博物館、植物園、大学などの研究機関の植物標本室で保管する。標本は、植物の名前を調べるだけでなく、分布や生態を調べるための根拠資料となる。さく葉標本は、半永久的に残すことができるため、将来的にDNAなどの分析試料として利用することも可能である。このように、さく葉標本は植物を研究するための基礎資料として必要不可欠であると同時に、様々な可能性を持った重要な資料である。