薬学用語解説
水素結合
すいそけつごう
hydrogen bond
作成日: 2025年12月19日
更新日: 2025年12月19日
構造活性相関部会
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水素結合は、電気陰性度の高い原子(主に酸素や窒素)に結合した水素が、別の電気陰性原子の孤立電子対と引き合うことで形成される相互作用である。典型例は O−H と O の間に生じる O−H...O の結合である。水素結合の結合エネルギーはおよそ 4〜29 kJ/mol(1〜7 kcal/mol) で、分子間力としては比較的強い。
水素結合は、双極子相互作用が大部分を占めるが、電子移動なども含まれるため、非共有結合としては特異な様式を示し、以下の様な多様な働きを持つ根源となっている。
水素結合は、タンパク質の立体構造の安定化、分子認識、医薬品と受容体との結合など、生体内で極めて重要な役割を果たす。特に医薬品の設計では、標的タンパク質との結合親和性や選択性に大きく影響する重要な相互作用である。
水素を供与する基(N−H や O−H など)を 水素結合のプロトン供与体、孤立電子対で水素を受け取る原子(N、O、ハロゲンなど)を プロトン受容体 と呼ぶ。供与体と受容体の組み合わせによって、水素結合の強さと方向性が決まる。
