薬学用語解説
疎水性置換基定数
そすいせいちかんきていすう
作成日: 2025年12月19日
更新日: 2025年12月19日
構造活性相関部会
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疎水性置換基定数(π定数)は、Hansch によって導入された置換基の疎水性を表すパラメーターである。化合物全体の疎水性は、分配係数 P によって評価される。分配係数は水相と有機溶媒相(一般的には n-オクタノール)に化合物を分配したときの濃度比であり、値が大きいほど脂溶性が高い。
π定数は、基準化合物がもつ水素置換部位を別の置換基 X に置き換えたときの分配係数の変化から求められる。
πX = log PX − log PH
ここで log PH は基準化合物の分配係数、log PX は置換基 X を導入した化合物の分配係数である。
このように、π定数は概念名であり、πX は置換基 X に対して求められた個別の π定数を指す。π定数は一般に加算性をもち、複雑な化合物の疎水性推定にも応用できる。ただし、基準化合物によって πX の値は変化する点に注意が必要である。
疎水性置換基定数は、定量的構造活性相関(QSAR)解析や医薬品候補化合物の構造最適化に広く用いられる重要な指標である。
