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薬学用語解説

タクロリムス
tacrolimus

作成日: 2025年06月18日
更新日: 2025年06月18日
環境・衛生部会
© 公益社団法人日本薬学会

免疫抑制薬の一つ。肝・腎・骨髄等移植時の拒絶反応抑制に加え、関節リウマチ、重症筋無力症、ループス腎炎等の自己免疫疾患の治療に用いられる。1985年に筑波山麓の土壌中から発見された放線菌の一種であるStreptomyces tuskubaensisから精製・単離され、藤沢薬品工業(現アステラス製薬)により開発された。ヘルパーT細胞においてFK506結合タンパク質と複合体を形成してカルシニューリンの活性化を阻害し、細胞内情報伝達系を抑制してインターロイキン-2などのサイトカインの産生を抑える。主にCYP3A4により代謝される。副作用として、腎機能障害、膵機能障害が発現する場合がある。剤型として軟膏もあり、アトピー性皮膚炎の治療にも用いられている。