薬学用語解説
生物化学的酸素要求量
せいぶつかがくてきさんそようきゅうりょう
biochemical oxygen demand
作成日: 2025年06月18日
更新日: 2025年06月18日
環境・衛生部会
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水中の有機物質が生物化学的に酸化されるときに消費する酸素量をmg/Lで表したもので、水中の有機物質の量を総合的に表現する指標の一つ。下水や排水中に含まれる有機物質が水中の好気性の微生物によって分解されるときに消費される溶存酸素量の測定値から、微生物によって分解可能な有機物質(BOD物質)量が算出できる。BOD物質はある特定の化学物質を指すのではない。「環境基本法」に基づく水質汚濁にかかわる生活環境の保全に関する環境基準として河川水についてBODによる基準値が定められている(湖沼・海水については化学的酸素要求量 [COD (特定の条件のもと、酸化剤を用いて酸化されるときに消費される酸化剤の量を、酸素量mg/Lで表したもの)で規制されている]。また「水質汚濁防止法」による排水基準、「下水道法*」に基づく下水放流水水質の技術上に基準、し尿処理施設の基準などにBODが採用されている。