薬学用語解説
カドミウム
cadmium
作成日: 2025年06月18日
更新日: 2025年06月18日
環境・衛生部会
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原子番号48。原子量112.41。電気メッキ、顔料、プラスチックの安定剤、蓄電池極板、合金などに用いられる。沸点が低く気化しやすいので、カドミウムヒュームの吸入による産業中毒が知られる。吸入暴露による急性中毒では、間質性肺炎、肺水症などがみられる。慢性中毒時には腎尿細管障害や骨軟化症がみられ、β2-ミクログロブリンなどの低分子タンパク質の尿中排泄が特徴的に認められる。肝臓や腎臓ではメタロチオネインに結合している。富山県神通川流域で発生したイタイイタイ病は、カドミウム汚染土壌で収穫された米や野菜の摂取が主な原因と考えられている。