menu

薬学用語解説

アルカロイド
alkaloid

作成日: 2024年05月09日
更新日: 2024年05月09日
生薬天然物部会
© 公益社団法人日本薬学会

アルカロイドは元来、植物由来の窒素を含む有機塩基類で、強い生物活性を有する化合物群と定義されていた。しかし、テトロドトキシンやサキシトキシンのように動物や微生物が産生する有害な含窒素化合物や、幻覚剤であるLSDなど非天然型の化合物もアルカロイドに含めることが多い。顕著な生物活性を示さないものや、痛風治療薬であるコルヒチンのように窒素がアミドになっているため塩基性を示さないものも一般にアルカロイドと呼ばれている。そこで最近では、「アミノ酸や核酸など別のカテゴリーに入る生体分子を除いて、広く含窒素有機化合物」をアルカロイドと定義づけしている。微量で多彩な生物活性を示すことから医薬品として用いられているものも多く、また新たな医薬品開発のためのリード化合物としても重要である。生合成的には、アミノ酸を出発物質とするアミノ酸経路によって生成される真性アルカロイド(モルヒネ、アトロピン、キニーネ、コカインなど)と、非アミノ酸由来のプソイド(シュード)アルカロイド(エフェドリン、アコニチン、ソラニンなど)に分類される。