薬学用語解説
亜鉛欠乏症と低亜鉛血症
あえんけつぼうしょうとけいあえんけっしょう
作成日: 2025年06月18日
更新日: 2025年06月18日
環境・衛生部会
© 公益社団法人日本薬学会
亜鉛欠乏症とは、血清亜鉛値が低値で亜鉛欠乏の症状をきたす状態を定義する。低亜鉛血症は血清亜鉛濃度が低下し、生体内の亜鉛が不足した状態である。血清亜鉛値の基準は80〜130µg/dLであり、60〜80µg/dL未満を潜在性亜鉛欠乏、60µg/dL未満を亜鉛欠乏症と定義している(日本臨床栄養学会編:亜鉛欠乏症の診療指針2018)。ICD10には「亜鉛欠乏症(E618)」の疾患名はあるが、低亜鉛血症の疾患名はない。一方、亜鉛製剤の保険適応病名は"低亜鉛血症"で、血清亜鉛値が低値(目安:80µg/dL未満)であれば、処方できる。保険申請病名は亜鉛欠乏症の同義語として読み替えられる。