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薬学用語解説

アミノグリコシド系抗生物質

作成日: 2024年05月09日
更新日: 2024年05月09日
生薬天然物部会
© 公益社団法人日本薬学会

アミノ糖を構成成分とする抗生物質の総称。グラム陽性菌、グラム陰性菌、結核菌などに対して有効で抗菌力も優れている。ストレプトマイシン、カナマイシン、ネオマイシン(フラジオマイシン)、ゲンタマイシン、トブラマイシン、ジベカシン、アミカシンなどが含まれる。種々の耐性菌において、アミノ配糖体系抗生物質不活性化酵素が見出されている。カナマイシンの耐性遺伝子などは、遺伝子組換えのマーカーとしても利用されている。聴器毒性と腎毒性の発症頻度が高く、アミノ配糖体系抗生物質に共通の有害反応として、第VIII脳神経障害による聴力低下、神経系障害前庭機能障害によるめまいや平衡失調がある。腎排泄のため、腎障害者では薬剤が蓄積される。ミトコンドリアDNA塩基1555位の変異で生じる非症候群性感音難聴は、アミノ配糖体抗生物質に感受性のある感音難聴の原因の一部と考えられている。