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薬学用語解説

ヒ素中毒
ひそちゅうどく
arsenic poisoning

作成日: 2025年06月18日
更新日: 2025年06月18日
環境・衛生部会
© 公益社団法人日本薬学会

ヒ素化合物の急性あるいは慢性的な摂取により起るさまざまな生体機能障害のこと。ヒ素は体内半減期が短いため、血中濃度の測定はあまり有効でないが、毛髪や爪に残留する。ヒ素の毒性は有機ヒ素より無機ヒ素のほうが強く、その中でも亜ヒ酸塩が最も強いといわれている。急性中毒は、ヒ素服用後数十分~数時間で現れ、下痢、腹痛、嘔吐が起こり、さらに心臓衰弱などを引き起こし、全身痙攣で死に至ることもある。慢性中毒は、嘔吐、食欲減退、皮膚に発疹や炎症を生じ知覚障害や運動障害を起こすこともある。経口摂取による中毒の基本的な処置方法は催嘔、胃洗浄の他、下部消化管にヒ素が確認されれば吸着剤と下剤の投与を考慮する必要があるが、その有効性は確かめられていない。特異的な解毒薬として、キレート剤が有効であり、BAL(一般名:ジメルカプロール)が第一選択である。そのほか、ペニシラミンやDMSA(2,3-ジメルカプトコハク酸)も用いられる。