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薬学用語解説

キノロン
quinolone

作成日: 2024年05月09日
更新日: 2024年05月09日
生薬天然物部会
© 公益社団法人日本薬学会

β-ラクタム系抗生物質と並ぶ代表的抗菌薬の基本骨格。しかし、β-ラクタム系抗生物質とは異なり微生物に由来しない合成抗菌薬である。ベンゼン環が縮合した4-ピリドカルボン酸骨格で、主な作用機序はDNAジャイレース阻害。DNAジャイレースとの結合には3位カルボン酸と4位カルボニル基が重要である。また、トポイソメラーゼIV阻害活性も報告されている。 キノロン系化学療法薬の歴史は1962年に開発されたナリジクス酸から始まったが、当初は抗菌スペクトルが狭いなどの問題点があった。1970年代後半に、6位にフッ素、7位にピペラジニル基を持つ化合物が有効であることが示され、その後5000以上の誘導体が検討されている。これら6位にフッ素、7位に窒素置換基を持つものはニューキノロンと呼ばれている。代表的キノロン系抗菌剤としてはノルフロキサシン、ロメフロキサシン、オフロキサシン等がある。