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薬学用語解説

駆瘀血剤
くおけつざい

作成日: 2024年05月13日
更新日: 2024年05月13日
生薬天然物部会
© 公益社団法人日本薬学会

瘀血を改善する漢方方剤を駆瘀血剤(くおけつざい)という。代表的な処方に、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などがある。桂枝茯苓丸は虚実中間証から実証まで幅広く適応となる駆瘀血剤で、頭痛、肩こり、めまい、のぼせなどを伴った月経不順、更年期障害などの婦人科疾患や皮膚疾患、循環器疾患、ストレス性疾患などに広く応用できる。また構成生薬(桂皮、茯苓、牡丹皮、桃仁、芍薬)を考慮すると、瘀血の病態改善だけではなく、気の上衝(気逆)を下げる作用も併せもっているといえる。桃核承気湯は実証の病態に適応となる駆瘀血剤で、便秘、のぼせ、不眠、不安、興奮などを伴う疾患で、桂枝茯苓丸よりも瘀血症状と気の上衝が激しく、便秘している人に用いる。駆瘀血剤は男性よりも女性に用いる機会が多い。