薬学用語解説
エフェドリン
ephedrine
作成日: 2024年05月13日
更新日: 2024年05月13日
生薬天然物部会
© 公益社団法人日本薬学会
麻黄(マオウ)に含まれる薬効成分で、フェニルアラニン由来のアルカロイドである。持続的気管支拡張作用(β2作用)と、アンフェタミンより弱いが中枢興奮作用がある。喘息や風邪の治療薬として用いられる。モノアミンオキシダーゼ(MAO)により分解されない。血圧上昇、中枢興奮などの副作用があり、スポーツの分野ではドーピングの対象薬物に指定されている。また食欲減退作用もあり、本物質もしくは本物質を含むもの(麻黄)はダイエット用サプリメントとして用いられたことがある。1887年長井長義が麻黄から単離し、1927年に合成に成功した。エフェドリンの還元反応により、メタンフェタミンが製造される。エフェドリンを10%以上含むものは、「覚せい剤取締法」で覚せい剤原料に指定されている。