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薬学用語解説

プロスタグランジン
Prostaglandin, PG

作成日: 2024年05月13日
更新日: 2024年05月13日
生薬天然物部会
© 公益社団法人日本薬学会

動物の組織や器官、軟サンゴなどに存在し、アラキドン酸より生合成される生理活性物質であり、プロスタグランジン(Prostaglandin, PG)の代謝関連の誘導物質を含めてプロスタノイド(prostanoid)と呼ぶ。オータコイドの一種。発見当初、哺乳動物の精液及び精囊から単離され前立腺(prostate gland)由来と考えられ名付けられたが、後に誤認とされた。プロスタン酸を基本骨格として、五員環の酸化様式(A〜J)の違いや側鎖部の二重結合の違いによって分類され20種以上報告されている。血圧上昇・降下、子宮筋の収縮、血管拡張、平滑筋への作用、末梢神経作用、局所ホルモン様作用など、多彩な生理作用を示し、代表的な医薬品としてPGE1の血管拡張薬、PGE2, PGF2aの子宮収縮薬、PGE1, PGE2誘導体の消化性潰瘍薬などがあげられる。アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、プロスタグランジン類を生成するシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害する。