佐藤記念 医療貢献薬剤師賞受賞者(応募3件、授賞1件) 6 受賞理由 抗体薬物複合体(ADC)は次世代の抗体医薬品として注目を浴びている。受賞者らは、抗体から新規なDNAトポイソメラーゼI阻害剤 DXdを効果的に遊離させる「DXd-ADC」技術を開発し、抗HER2抗体を有するADC薬 トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)の創製を成し遂げた。T-DXdは既存のADC薬よりも薬物抗体比が高く、また強力な活性とバイスタンダー抗腫瘍効果を示す等、優れたプロファイルを示すADC薬であり、HER2陽性乳がんを適応症として日米欧での承認をはじめ、HER2陽性胃がん、非小細胞肺がん、さらにHER2低発現の乳がんでも承認を取得した。T-DXdはADC薬として初のがん種横断的適応となる革新的な医薬品であり、がん治療における医療貢献度も非常に高い。また「DXd-ADC」技術から良好な臨床成績を示す複数の開発品が得られており、その汎用性も示されている。以上のことから、本業績は創薬科学賞の受賞に値すると判断された。 教育賞受賞者(応募2件、授賞2件) 全国あるいは地域レベルでの薬学教育に多大に貢献し、その進歩発展に特に功績のあった者 医療現場で行われたヒトを対象とする臨床・疫学研究等において業績をあげ、医療の発展に貢献している薬剤師 2025年3月27日(木) 8:55 〜 9:25 第2会場 (福岡国際会議場 501 [5F]) 2025年3月27日(木) 9:35 〜 10:05 第2会場 (福岡国際会議場 501 [5F]) 鍜冶 利幸 (東京理科大学 名誉教授) 「衛生薬学振興への貢献とその実践を通じた薬系人材の育成」 船山 信次 (日本薬科大学 客員教授) 「著作や講演活動などによる国民各層に対する薬学知識の啓発」 大野 能之 (東京大学医学部附属病院薬剤部 副薬剤部長) 「PISCS(Pharmacokinetic Drug Interaction Significance Classification System)を基盤とした薬物相互作用マネジメントの推進」 2025年3月29日(土) 9:00 〜 10:00 第1会場 (福岡国際会議場 メインホール [3F]) 2025年度日本薬学会 学会賞受賞者・受賞講演日時 2
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