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ISS01 2021年ノーベル生理学・医学賞の対象となった43℃以上の温度を感じる熱的痛覚センサータンパク質TRPV1の発見を端緒として、これまでに、数多くの痛み・痒みに関わる受容「痛み・痒みに関わる受容体・チャネル・酵素」 領域融合セッション F1会場 オーガナイザー 南 雅文(北大院薬)、青木 淳賢(東大院薬)、斉藤 毅(筑波大学IIIS)、中川 貴之(京大病院薬)、杉本 幸彦(熊本大院薬)、津田 誠(九大院薬) 2023年3月26日(日) 09:00 〜 11:00、14:55 ~ 16:47 体やイオンチャネル、酵素などが特定され、痛み・痒み感覚に関わる神経回路や神経機構の理解が格段に進展しました。 痛みや痒みは私たちの身体を守る大切な感覚ですが、がんや糖尿病、アトピー性皮膚炎などの疾患では、それらは病的に長期化してしまいます。痛み・痒みの長期化、慢性化のメカニズムは未だ分かっておらず、著効する医薬品もないため、非常に多くの患者が日々耐え難い痛みや痒みに苦しんでいます。これまでの基礎研究の成果から、慢性疼痛や慢性掻痒は、急性の痛み・痒み信号が単に持続しているというものではなく、神経系で生じる病的な変化に起因することがわかってきました。 本領域融合セッションでは、TRPV1チャネル発見の論文著者の1人でもある富永真琴教授の特別講演も含め、痛みと痒みの新しいメカニズムを世界に先駆けて明らかにしてきた研究者の方々に最新の知見を紹介していただき、それをもとにした新しい創薬コンセプトや今後の課題・展望を議論します。

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