MEDCHEM NEWS Vol.34 No.4
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O−HNONOONOOOONONOOFOFONOOONHNH192独自の創薬プラットフォームを主軸に、難治性がんの治療薬創製に挑戦。がん研究で培った技術を応用し、「免疫関連疾患」の創薬研究も推進しています。重点領域がん図1  大鵬薬品の創薬アプローチ第一世代テガフール高度経口吸収性図2  代謝拮抗剤創薬のあゆみ1)ベンチャー企業やスタートアップの技術・創薬シーズ免疫関連疾患第三世代第二世代ウラシル自社創薬プラットフォームアカデミアや他社とのアライアンスロンサーフ日本 2014米国 2015オキソン酸消化管毒性軽減社外パートナーと独自のネットワークを構築し、最先端の技術や創薬シーズの獲得に取り組んでいます。細胞内で三リン酸化されて、DNAに取り込まれるFTDの分解に関わるチミジンホスホリラーゼを阻害し、FTDの血中濃度持続5-FU革新的な新薬創出チピラシルFT1974HNNHTS-11999UFT1984FT +5-FU血中濃度持続ClHOOHNHHNCDHP5-FU血中濃度持続FT +FTDHNCF3HOOHHNHNNHClフールに始まる。高い経口吸収性を示す化合物の特性に着目して開発された経口抗がん剤であるテガフールは、当時、入院が必要とされるがん治療を外来で可能にするインパクトを与えた薬剤となった。その後も、5-FUのポテンシャルを最大限に引き出すべく、5-FUの血中濃度維持や毒性軽減を目的としたモデュレーターとの配合研究を続け、第二世代、第三世代の薬剤を創製し上市した。ユニークな発想から見出されたこれら配合代謝拮抗剤は多くの国々で承認を受け、世界のがん治療に貢献したが、米国では配合意義や配合比の検証を厳しく問われ、承認には至らなかった。その苦い経験を経て米国での承認取得に至った薬剤がロンサーフである(図2)。ロンサーフは、活性本体であるトリフルリジン(FTD)と、その分解を抑える成分であるチミジンホスホリラーゼ阻害剤(TPI)を配合した薬剤であり、大腸がんの新たな治療薬として、100以上の国と地域で承認されている。

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