MEDCHEM NEWS Vol.34 No.4
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4. これからのMEDISO236AUTHORア同士の有機的な交流を促している。 上記のとおり、MEDISOでは、国内のさまざまな医療系ベンチャー支援者と連携し、医療系ベンチャー・アカデミアによるイノベーションを強力に推進してきた。2024年6月27日に発表された「ヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム」の最終取りまとめにおいては、MEDISOが政府支援機関のハブとしての機能を明確化し、エコシステム中核の1つとして進化することが期待されている。 国内の医療系ベンチャー・アカデミアによるイノベーションの進化とともに支援を拡大してきたMEDISOは、医療系ベンチャーエコシステムのさらなる醸成に寄与すべく、機能の拡充・深化を図っていく。例えば、MEDISOのサービスの1つであるシーズ宝箱では、MEDISO相談者のシーズを登録し、医薬品・医療機器・再生医療等製品を取り扱う大企業やベンチャーキャピタル、投資家等とのマッチングサービスとして、MEDISO創設当初から運用されてきた。一方で、シーズの登録数倉渕瑶子(くらぶち ようこ)千葉大学融合理工学府基幹工学専攻、博士(工学)。専門は医用工学。在学時には医療機器メーカー・臨床医との共同研究開発を遂行。2021年より三菱総合研究所にて医療機器・医薬品の開発事業者や医療系ベンチャーの支援事業に従事。山﨑祐樹(やまさき ゆうき)早稲田大学先進理工学研究科修士課程修了。専門は、生命科学。2022年より三菱総合研究所に入社し、認知症患者の予防・早期検知等の医療機器開発に関する調査研究を担当した他、保険者データヘルスや医療計画をはじめとした医療政策の調査・分析業務に従事。鐘ケ江和菜(かねがえ かずな)慶應義塾大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻修了、修士(理学)。専門は数理科学。2023年より三菱総合研究所にて医療系ベンチャーの支援事業や感染症関係の調査・分析事業に従事。が限定的であり、最先端のシーズが多く掲載されているという状態には至っていなかったことから、マッチングの場としての課題が指摘されていた。そこで、より多くの研究シーズの最新情報が閲覧できるシステムとなるよう今年度内に大規模な改修を実施し、MEDISOに集まる日本の医療系ベンチャー・アカデミアの有望なシーズと大企業や投資家とのマッチングが生まれる仕組みへと生まれ変わることを目指す。 その他、医療系ベンチャー・アカデミアが有するシーズの実用化をより強力に推進すべく、伴走支援機能の強化や、米国をはじめとしたグローバル展開を後押しする海外展開支援機能の強化も求められている。今後、人材交流事業における支援の拡張や、海外進出支援の重層化に向けた海外サポーターの拡充、海外展開支援プログラム(MEDISO Global Pitch等)の提供等を進める。 MEDISOは、今後も医療系ベンチャー・アカデミアのニーズをとらえながら機能を拡充・深化させ、エコシステム中核の1つとして、より継続的で能動的な支援事業として医療系ベンチャー・アカデミアの全体的な底上げと、有望な企業の輩出・実用化を推進していく。山口将太(やまぐち しょうた)東京大学大学院新領域創成科学研究科国際協力学専攻修士課程修了。専門はヘルスケアイノベーション、海外事業戦略。2014年より三菱総合研究所にて現職。2019年-2020年、Stanford大学US-Asia Technology Management Center客員研究員としてスタートアップ育成環境を研究。2023年-2024年、三菱総合研究所ハノイ駐在事務に出向、現地スタートアップとの事業開発業務に従事。大島嘉文(おおしま よしふみ)東北大学大学院理学研究科修士課程修了。専門は医療・福祉分野における研究開発・実証研究マネジメント、知財戦略、ベンチャー支援。2013年より三菱総合研究所にて現職。研究開発や産業振興に係る調査研究、民間企業におけるマーケティング等に従事。川上明彦(かわかみ あきひこ)京都大学工学部工業化学科卒、東京女子医科大学大学院医学研究科および早稲田大学大学院先端理工学研究科共同先端生命医科学専攻修了、博士(生命医科学)。ノボ ノルディスク勤務を経て、2018年より三菱総合研究所にて特に医療系ベンチャー支援や医薬品開発に関する業務を中心に担当。2023年より早稲田大学総合研究機構医療レギュラトリーサイエンス研究所招聘研究員としても活動。Copyright © 2024 The Pharmaceutical Society of Japan

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