MEDCHEM NEWS Vol.34 No.4
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2. ベンチャー支援事業の変遷234相談受付・MEDISO総合ポータルサイト からの申込み図1  MEDISO相談フローMEDISO事業への問い合わせや、簡単な疑問等を、短時間で気軽に相談MEDISO総合面談・相談内容の精査・常勤サポーターによる助言MEDISO Open Hours・簡単な情報提供・MEDISO相談該当性の判断豊富な相談経験から様々な課題を常勤サポーターが解決PMDA相談同行/PMDA振り返り面談・PMDA相談への同行・同行後の振り返り面談MEDISO戦略助言面談・非常勤サポーターによる助言PMDA相談への同行や、その後の振り返り面談にて、PMDA相談をサポート専門性が特に高い相談について、充実した非常勤サポーターが解決フォローアップ・面談内容の振り返り MEDISOによる中心的なサービスは、医療系ベンチャー・アカデミアに対する相談支援である。MEDISOでは、医療系ベンチャー・アカデミアがたどる事業化へのステップを熟知した常勤サポーターと、研究開発、薬事・保険、知財管理、経営・財務経理、マーケティング、法務、国際展開等の個別領域の専門性を有する、弁護 士、弁理士、VCや製薬企業、医療機器メーカーの出身者等で構成される非常勤サポーターにより、医療系ベンチャー・アカデミアからの相談に対応している。常勤サポーターと非常勤サポーターが連携することで、基礎研究段階から臨床開発、臨床現場での実用化、保険適用、海外展開、市場への普及まで、各段階でのあらゆる課題に関する相談支援への対応を可能としている。また相談対応の際は、まず常勤サポーターが総合面談にて相談者の課題を薬事、資金調達、知財等の観点で分解したうえで、必要に応じて最適な非常勤サポーターが戦略助言面談として個別領域に関する助言を提供している(図1)。しかし、現在の姿が立ち上げ当初から実現できていたわけではない。相談支援では、2018年2月の立ち上げ以降多くの相談を支援する中で、より多角的な知見や経験を事務局や常勤サポーターが蓄積することで、総合面談 の中で助言可能な分野や専門性を拡大、深化させてきた。また、非常勤サポーターについても、先行するベンチャー企業に意見を仰ぎたいという相談者からの要望の増加に対応し、かつて相談者としてMEDISOを利用した医療系ベンチャー企業所属の方を新規に非常勤サポーターとして加える等、サポーターの幅の拡大を図ってきた。結果として相談者の幅広い課題に対応できる常勤サポーターと、薬事や知財等の領域に特化した専門性の高い課題への助言や医療系ベンチャー企業での事業経験を踏まえた具体的な助言ができる非常勤サポーターによる、現在の重層的な支援体制が構築された。近年では、開発が活発なプログラム医療機器(SaMD)の相談対応や海外への展開も支援可能であり、多様化・複雑化する相談者の課題への対応を通して、サポーターの知見や経験も進化し続けている。 MEDISOの相談支援は相談申し込みに対して都度対応する、いわゆる「スポットコンサルティング型」の支援を提供している。一方で、資金面やネットワーク面で専門人材の確保が困難な医療系ベンチャー・アカデミアは、特定領域の専門家から一定期間に短期集中型で支援を受けながら目下直面する課題を解決したいというニーズも有している。MEDISOでは、このニーズに応えるため、ハンズオン型で壁打ちを行う人材交流事業を実施している。人材交流事業では、MEDISOが医療系ベンチャー・アカデミアのニーズを確認したうえで、主に非常勤サポーターで構成される支援人材とのマッチングを行い、支援人材が、一定期間医療系ベンチャー・アカデミアに対してハンズオンで集中的な支援を提供している。具体的には、市場訴求のための開発製品の要求事項の整理、国内外の特許出願戦略策定、米国展開にむけた米国の薬事規制対応、医療機器に係る開発計画立案等、医療系ベンチャー・アカデミアの事業の進展を後押しする集中的支援を提供している。

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