MEDCHEM NEWS Vol.34 No.4
41/60

A)(pre-miR-21結合分子)euav-p 01goL-)6NUR(ecnadnubAaeRANRevitNHNH43NHp=0.01C)B)0−2−11Log2 Fold Change5. 第2世代RIBOTACの応用225化合物C(3位:OH,4位:OMe)(低分子RNase Lリクルーター)化合物C’(3位:OMe,4位:OH)化合物E(C+D)(第2世代RIBOTAC)化合物E’(C’+D)(低活性RIBOTAC)化合物D図4  低分子RNase Lリクルーターと第2世代RIBOTAC(低活性リクルーター)化合物E化合物E’ *P<0.05,**P<0.01****化合物D(1μM)化合物E(50nM)1.5miR-21-5p1.00.50.0OEtOO=S1NNNNONNOOONNNOO4NOONNOONNNNNO*****55l32102 lHNPhHOOMePre-miR-2150500化合物濃度(nM)HN50500HNmiR-21-5p化合物D化合物DMSO合物E濃度でも活性が確認できた。これは、リクルーター自身のRNase L活性化能は低いが、RIBOTACとして標的結合分子に組み込むことで標的に対する切断効果が増大することを示している。 続くMDA-MB-231細胞を用いた機能評価においては、50nMの化合物Eを用いることでmiR-21およびpre-miR-21の有意な減少を確認した(図4B)。驚くべきことに、miR-21の減少量は500nMの化合物Dと50nMのRIBOTAC分子でほぼ同程度であり、標的RNA結合分子をRIBOTAC化することで約10倍の活性向上を示すことがわかった(図4B)。このような活性向上は第1世代RIBOTACでは観測されておらず、リクルーター部分を小分子化することで細胞膜透過性等が向上したためであると考えている。一方、低活性RIBOTACである化合物E’は結合分子Dと同様の活性であった。miRNAプロファイリングの結果はRIBOTAC化することで標的選択性も向上することを示している(図4C)。 さらに、化合物Eを用いてin vivo実験を実施した。マウスの尾静脈からMDA-MB-231細胞を注射し、その肺への転移阻害を化合物Eの存在下で評価した。その結果、化合物Eを10mg/kg腹腔内投与することでがん細胞の肺への転移が阻害された。さらに、肺組織をHE染色、FISHプローブ染色、免疫染色することでがん細胞の転移が抑えられていること、そしてmiR-21やpre-miR-21が減少していること、miR-21により抑制されていたPDCD4の発現が向上していることを確認した。 以上の結果から、RNase Lリクルーター分子の低分子化に成功し、マウスを用いたin vivo実験に耐える第2世代RIBOTACが開発できた6)。 これまでの研究結果を受けて、さまざまな標的RNAに対するRIBOTAC分子の開発が行われている。

元のページ  ../index.html#41

このブックを見る