NHNNNOPOOONNNNONONONNNNNNNOOOO4NNOOO2NNOONNNNNNONONONHNNHNHHNNHNHNHOO3. 第1世代RIBOTACの研究開発_コンセプト223図1 RIBOTACの概念図化合物A図2 Pri-miR-96リガンドと第1世代RIBOTACpri-miR-96リガンドNucleaseRecruiterRNA binder(pri-miR-96リガンド)CleavageInactive,MonomericRNase LRNase LリクルーターActive,dimericRNase L,TargetedRNAH2NHONH2NHOOPO(第1世代RIBOTAC)HN2’-5’A4化合物Bテロ機能性分子であり、化合物を介して標的タンパク質とユビキチンリガーゼを近接させることでタンパク質のユビキチン化を促進させ、続いてプロテアソーム系により標的タンパク質の分解を誘導する。Disney研究室は、標的とするRNAに対して高い親和性を有する化合物の取得法についての研究をしており、このPROTACの概念と同様にRNAを分解する因子を近接させることで、標的とするRNAを分解するヘテロ機能性分子の研究を進めていた1)。そして、その研究の一つであるRIBOTACでは、RNAを分解する因子としてリボヌクレアーゼを対象とした研究が進められていた(図1)。 RIBOTAC研究では、低分子創薬への応用を考慮して、対象となるリボヌクレアーゼに対して活性化できる低分子リガンド(リクルーター)が存在すること、および全身の細胞に普遍的に発現していることの両方を満たすリボヌクレアーゼを検討し、RNase Lを候補として選んだ。RNase Lは、不活性な単量体として全身の細胞質に広く存在しているが、抗ウイルス免疫応答により産生される2’-5’オリゴアデニル酸[2’-5’poly(A)]により2量化されることで活性化され、ウリジン周辺の配列を非特異的に切断する。また、活性化分子としては2’-5’poly(A)ならびに低分子が知られていた2)。これらの情報をもとに、筆者①らは、コンセプトを検証するための化合物設計と合成を行った。まず標的RNAとそのリガンドの組み合わせとしてpri-miR-96および化合物Aを選択した(図2)。化合物AはDisney研で見出され、標的のpri-miR-96に対して高い親和性を有することがわかっていたため、リガンドの親和性が低いためにコンセプト検証ができなくなる懸念が少ないと考えた3)。一方、RNase Lは主に細胞質に存在するため、標的であるpri-miR-96が存在する核内で機能しうるか懸念されたが、Khabarらの論文から細胞種によっては核内にも存在しうることが示唆されていたため、pri-miR-96を標的RNAとして研究を進めた4)。RNase Lのリクルーターについては、Silvermanらにより報告されている低分子と2’-5’オリゴアデニル酸である2’-5’poly(A)を候補として考えた。これらの間にはRNase Lの活性化能として1000倍程度の差があったため、確実な切断活性が期待できる2’-5’poly(A)をRNase Lのリクルーターとして選択し、第1世代のRIBOTACである化合物Bを設計し合成した(図2)。 コンセプト検証用の化合物Bの合成が達成できたため、各種検証実験を実施した。まずRNAの分解活性を検証するため、蛍光回復を活用したin vitro実験を行った。化合物Bを用いた場合、モデルRNAに対するRNA分解能は2’-5’A4と比べるとその分解活性は10分の1程度であった。一方で、標的RNAであるpri-miR-96を模した配列に対して試験すると、2’-5’A4と同等の分解活性を示したことから、pri-miR-96選択的に化合物Bが機能していることが想定された(図3-A)。続いて細胞を用いた検証実験を実施した。ヒト乳がん細胞株であるMDA-MB-231に対して化合物Bを添加すると、pri-miR-96の発現量が低下することがわかった(図3-B)。検証
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