MEDCHEM NEWS Vol.34 No.3
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177AUTHOR 2) K. Yuta, Proposal and Outline of the ʻAutonomous Chemistryʼ Research, CBI Annual Meeting 2022, Tokyo, P03‒11, (2022) 3) https://webbigdata.jp/post-15894/(最終閲覧日:2024年6月 4) J. Weil, et al., Emergent Abilities of Large Models, arXiv 参考文献 1) 湯田浩太郎, 化学研究の「自動化」時代から、「自律型(オートノマス)」時代への進化と対応, CBI学会2022年大会, 東京, FS-05-3 (2022)11日)にシステム開発、支援、普及、海外システムの導入等の業務を長期(約50年)にわたり経験してきた。長いコンピュータとの付き合いの中で、絶対に実現するはずがないと考えてきた未踏の「自律型研究」領域への道が開けた現在、この流れは誰にも止められない。したがって、(大規模)生成AIに対する備えを可能な限り準備することは、今後の研究展開上極めて大事である。7. あとがき 本稿は読み物的にわかりやすく書いたので気軽に読んでほしいが、内容は今後の研究者の日常を大きく変化させるものである。また、この世界の動きは激しく、速く、数日単位で変化があるので執筆は苦労した。このような変化に留意しつつ大綱は逃さないようにした。 筆者が情報(コンピュータ化学)の世界に没入した きっかけは、化合物合成で逆合成の概念を提唱してノーベル賞受賞者となったE.J. Coreyが発表した合成に関するLHASAシステムが発表されたことである。この時点で、日本国内で化合物のアナログ情報をコンピュータ のデジタル情報に変換する革命、すなわちコンピュー タケミストリの創始期に研究活動を開始できた。なおLHASAは化学分野のAIシステムであり、ルールベース型AI となる。 約半世紀を経た今日、手法やアルゴリズムは異なるが2度目となるAI革命に遭遇することができた。今回のAI革命は始まったばかりであるが、今後の展開が楽しみである。preprint: arXiv, 2206, 07682 (2022) URL https://arxiv.org/pdf/2206.07682関連著書 1) 実験の自動化・自律化によるR&Dの効率化と運用方法, 株式会社技術情報協会, 分著:湯田浩太郎, 第1章 第1節ラボラトリーオートメーションの現状と期待:「自動型化学研究」から「自律型化学研究」への展開と課題, 3‒16 (2023) ISBN978-4-86104-994-1 C3055 2) 湯田浩太郎, 情報化時代のAIによるADME評価・毒性評価の自律化, PHARMSTAGE, 6, 13‒20 (2023) 3) 鈴木淳一監修, デジタルトランスフォーメーション 事例100選, 株式会社エヌ・ティーエス, 分著:湯田浩太郎, 第9章医療 第8節化学データサイエンスおよび人工知能によるインシリコ創薬から自律型創薬へ, 620‒628 (2023) ISBN978-4-86043-852-4 C3004 4) ケモインフォマティクスにおけるデータ収集の最適化と解析手法, 株式会社技術情報協会, 分著:湯田浩太郎, 第7章化学物質の毒性評価手法とその事例, 465‒478 (2023) ISBN978-4-86104-944-6 C3043関連情報リスト(ホームページ、ブログ、資料) 1) 株式会社インシリコデータHP http://www.insilicodata.com (現在ホームページ刷新予定中です) 2) インシリコデータとの総合連携ブログ http://insilicodata.blogspot.com/ 3) 自律型および自動型研究討論 https://autonomous-chemistry.blogspot.com/ 4) データサイエンスや(大規模)生成AI http://ky-method.blogspot.com/ 5) 自律型創薬と(大規模)生成AIの連携 http://insilicoscreening.blogspot.com/ 6) 自律への(大規模)生成AIの原理と役割 http://ddbyai.blogspot.com/湯田浩太郎(ゆた こうたろう)1979年 東北大学薬学部大学院薬学研究科博士課程修了同 年 米国ペンシルバニア州立大学化学科P.C.Jurs研究室研究助手パターン認識による毒性予測1981年 豊橋技術科学大学佐々木研究室研究補助員NMR1983年 富士通株式会社入社化学・バイオ研究システムデータ解析支援開発、サポート2009年 (独)国立環境研究所高度技能専門員QSARシステム支援2010年 株式会社インシリコデータ創立代表取締役社長就任現在に至るCopyright © 2024 The Pharmaceutical Society of Japan

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