NONOOONOONNONONPONNHOOO+4 unique KRAS bindersKD(KRAS wt)= 0.34μM166転写ライゲーションFigure 1. mRNA displayを活用したヒット化合物の取得AP8784dsDNA LibrarymRNA LibraryPuromycinPLigated mRNA Library1)洗浄2)PCR1)翻訳2)逆転写KRASBeadsmRNAdisplayPeptide fusion library (1012 variation)HNClHNHNmRNA display HitClChugai’s Drug-like criteria■9〜11アミノ酸で構成される環状ペプチド■6つ以上のN-アルキルアミノ酸*■12.9以上のcLogP*■環化部分にチオエーテルを含まない■解離性官能基(-NH2、-COOHなど)を含まない*11アミノ酸で構成されるペプチドの場合HNフォームを紹介する。2. ヒット化合物の創出 筆者らが構築した創薬プラットフォームの柱は、Drug-like criteriaを満たすペプチドを提示するmRNAディスプレイライブラリーである(Figure 1)。mRNAディスプレイライブラリーは無細胞翻訳系を用いた分子スクリーニング法であり、環状ペプチドヒット創製に活用される手法である5)。筆者らは以下に示す3つの技術課題を解決し、独自のmRNAディスプレイライブラリーの構築に至った。① N-アルキルアミノ酸を豊富に含むペプチドのパラレル化学合成法の開発6)② 700を超える数のペプチドの合成・評価を通じたDrug-like criteriaの設定3)③ Drug-like criteriaを満たすペプチドの翻訳合成法の開発3) 構築したmRNAディスプレイライブラリーをKRASに適用し、野生型KRASに対し340nMの結合親和性を示すヒットペプチドAP8784を得た(Figure 1)。AP8784は11残基中7つのN-アルキルアミノ酸を含む特殊環状ペプチドである。AP8784は疎水性の側鎖のみで構成され、cLogP=12.7とDrug-like criteriaをほぼ満たした。AP8784はKRAS-SOSのPPI阻害能を有しており、KRASシグナル阻害に基づく創薬可能性が期待された。 AP8784から開発化合物LUNA18に至る構造最適化は、約3,000検体の誘導体化で達成された。誘導体合成のほとんどがパラレルペプチド固相合成でなされ、効率的な検体供給が可能であった。構造最適化の指標とした主なパラメータは、薬理活性(PPI阻害活性および細胞増殖阻害活性)とCaco-2膜透過性である。誘導体全般は薬物代謝酵素に対する耐性を有しており、これは構造最適化における課題にはならなかった。 構造最適化には、ペプチド-KRAS複合体のX線結晶構造を用いたStructure-based drug design(SBDD)が有効に機能した。筆者らはX線結晶構造解析を通じて、中分子ペプチドの構造最適化において特徴的な知見を2つ見出した。1つはペプチドのわずか1残基の側鎖改変が標的タンパク質の大きな構造変化をもたらしたことである。もう1つは、φψプロット(ラマチャンドラン・プロット)がペプチドの立体構造の半定量的な解釈を可能にしたことである。これら2点について以下に概要を記載する。3. 構造最適化研究
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