NHOOOAOOCOOFOOOFOOBNHNHNHNH13μM3.7×103μL/min/mg<1μM>4156ML290hRXFP1 EC50CLint,u HLMSolubilitypH7.4LogD7.4Fig.2 ML290 characterizationFig.3 Replacement of anthranilic acid and identification of carboxylic acid derivativeMeMeNHSO2CF3OMeNH3.2μM1μM 37×103μL/min/mg>4hRXFP1 EC50SolubilitypH7.4CLint,u HLM*LogD7.4*CLint,u: unbound intrinsic clearance*HLM: human liver microsomerac-24μM12×103μL/min/mg<1μM4.9OMeNHSO2CF3rac-30.8μM92×103μL/min/mg<1μM>3.9NHSO2CF3HOOMeSO2CF3rac-40.2μM121μL/min/mg870μM3.4OMeNHSO2CF3ペプチドであるrelaxin-2が結合することで生じる構造変化により活性化するとされている6)。RXFP1を標的とした低分子作動薬創出の難しさは、広い相互作用面を有するrelaxin-2と同程度のRXFP1活性化作用を示す低分子化合物の取得にある。低分子化合物の報告は、2013年にAgoulnik・Malganらのグループから報告されたML290をはじめとするアントラニル酸誘導体のみであり、これらの化合物はいずれも低いアゴニスト活性を示すにとどまっていた7〜9)。 筆者らは強力なRXFP1活性化作用を示す端緒となる化合物の取得を目指し、350万化合物を超える大規模スクリーニングを実施したがヒット化合物の取得に至らず、RXFP1を標的とした創薬の難しさを痛感する結果となった。そこで、唯一の報告化合物である低活性なML290を起点とし、経口投与可能なRXFP1作動薬の創製に挑むこととした。3. 初期構造展開とカルボン酸化合物の発見 ML290は低いRXFP1アゴニスト活性に加え、溶解性やヒト肝ミクロソーム代謝安定性などの改善すべき課題を有した(Fig. 2)。筆者らは、活性の向上を最大の課題と認識しつつ、ML290のこれら薬物動態面での問題の 5はヒト肝細胞代謝安定性に課題を有し、グルクロン酸抱合体が主代謝物として認められた。そこでこの抱合代謝を抑制すべく、代謝酵素認識の立体障害となることを期待して置換基の導入を行った。カルボン酸の最も近傍であるα位にメチル基を導入した6において、狙いに反しヒト肝細胞代謝安定性は全く改善しなかった。しか原因と考えられる高い脂溶性や平面性を解消する方向 性での初期構造展開を計画した。その際、丹念に構造 展開を進めて周辺の構造活性相関(Structure-Activity Relationship:SAR)情報を取得しながら、ときにRXFP1との強力な相互作用獲得を期待したドラスティックな構造変換にも挑戦しようと考えた。 まず平面性を解消するため、1のB環部分であるベンゼン環を飽和環へ変換した。その結果、B環をノルボルネンへ変換可能であることを見出した(Fig. 3)。続いて脂溶性を低減するため、A環部分に極性基の導入を試みた。しかしながら構造展開を進めると、アゴニスト活性の面でA環部分への極性基の導入に対する許容性の低さが明らかとなった。そこで一旦、脂溶性や分子量などの枠にとらわれず、思い切って大きな置換基の導入を試みたところ、フェニル基を置換したrac-3で活性が向上した。このフェニル基に対し極性基を再度導入したところ、カルボン酸を有するrac-4において活性が大きく向上するとともに、ヒト肝ミクロソーム代謝安定性や溶解性が改善することを見出した。これをきっかけにして、種々のカルボン酸化合物を探索した結果、シクロヘキシルカルボン酸と光学活性ノルボルナンを組み合わせた5でさらに活性を向上させることに成功した(Fig. 4)。4. カルボン酸近傍へのメチル基の導入
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