MEDCHEM NEWS Vol.34 No.3
23/64

5. 新たな産学協創のその先日本製薬工業協会独自技術開発成功独自技術特許出願社会実装(各社競争領域研究)図2  本事業実施までの産学共創の流れ産学共同研究に向けた継続的協議開始連携企業数社と創薬機構との共同研究開始国家PJへの応募計画開始AIMGAIN事業採択PJ1:DELの効率的合成(実生産)PJ4:DEL探索フロー/解析方法確立PJ6:DELの社会実装東大 創薬機構アカデミアDEL検討社会実装(アカデミア創薬への利活用)研究分担機関143DELsコンソーシアム発足2018〜20202021〜20222023〜20262027〜DEL実験スペース確保DEL実験設備・機器配備PJ2:新規結合形成反応1PJ3:新規結合形成反応2PJ4:新規創薬標的タンパク質応用研究PJ5:AIを用いたDEL解析(AMED HPより))として、4年2ヵ月実施する。DEL実用化研究(DELプラットフォーム構築の肝)は、連携企業およびLEUが担当する。すなわち、すでに特許出願済みのDEL合成の独自技術を基盤として、On-DNA化合物の総計が億単位に及ぶDEL合成方法の確立とその実生産を実施する(プロジェクト1)また、DELセレクションの標準的なフローの確立と実践を通した精密化ならびに解析方法の確立(一部は津本先生と連携して実施)を実施する(プロジェクト4)。すでにJ-MODDELでは複数種類のDEL合成を完了していて、On-DNA化合物の総計はすでに億の単位に及んでいる。連携企業には、事業への参画にあたって本事業の実施と並行して、DEL事業を利用して医薬応用を目指す研究を実施することがAMEDより求められている。本事業では合成が完了し、品質等基準合格が確認できたDELに関して、準備ができ次第、本事業参画全10機関(LEU+連携製薬企業9社)に等しく分配することを計画しているが、すでに合成の完了した複数DELの分配は実施済である。そして本事業成果物はすでに連携企業の競争領域での研究開発に一部実装され、活用されている(詳細は機密情報にあたり記さない)。 DEL基盤技術開発研究はDEL合成、DELセレクション、DELデータ解析の各ステップにおける基盤技術開発を実施する。DEL合成では金井グループ(およびLEU)が、水系(水と有機溶媒の混合溶媒系)で効率よく進行する新たなOn-DNA化合物合成反応を担当する(プロジェクト2,3)。DELセレクションでは津本グループが、種々の機能/構造クラスのタンパク質調製と、高難度標的タンパク質に対する結合物質解析法開発を担当する(一部J-MODDELのバイオロジストチームと連携)(プロジェクト4)。DELデータ解析では山西グループが、DELのケミカルスペースの可視化手法およびDELのケミカルスペースを拡大するBBの構造自動発生等、DELの広大な化合物空間探索を可能とするAI技術開発を実施する(プロジェクト5)。このそれぞれの強みを活かした基礎研究と実用化研究の二本柱を連携して、本事業は通年で非競争領域研究として、革新的なDELプラットフォームの産学協創を推進する(図2)。 なお、本事業は通年非競争領域研究として計画したが、AMEDから、“本事業成果の主眼は社会実装である。J-MODDELでの競争領域研究での活用状況を確認したい”との強い要請があったことを踏まえ、連携企業での研究領域での活用状況は、プロジェクト6として成果が得られた段階で随時報告する。 本事業推進の結果、連携企業各社およびアカデミアにグローバル標準の産学共用DELプラットフォームがそれぞれに実装される(J-MODDELにはすでに実装され、

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る