MEDCHEM NEWS Vol.34 No.2
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右溶液反応in dioxane52%(1.19g)左メカノ反応rt, 99min87%(1.98g)(HO)2B++H2O(3.7 equiv)in air(closed)milling(25Hz), 99minH2O(7.2 equiv)1,5-cod(0.2μL/mg)milling(30Hz)5min99図3  鈴木-宮浦カップリングにおけるメカノケミカル反応と溶液反応の比較メカノケミカルと通常合成のセットアップの違いメカノ図4  難溶性化合物のメカノケミカル反応の例3mol % Pd(OAc)24.5mol % DavePhos1,5-cod(0.2μL/mg)2.4 equiv溶液溶液反応120℃、60分収率30%加熱ボールミル120℃、5分収率>95%Pd(OAc)2(10mol %) SPhos(15mol %)CsF(6.0 equiv)8mmol1.2 equivSolubility in toluene (23°C)1.6×10−3MBrBrMeOOMeBrOMe(HO)2BOMeOMe合、反応のセットアップが空気下で可能であり、不活性雰囲気の準備、脱水・脱気溶媒の使用が不要であるた め、反応操作は非常に簡便である。また、一般に溶液系と比べてより低温かつ高速で実施することができ、収率も高い(図3)。4. 難溶性化合物の固体クロスカップリング反応 有機合成反応では、基質を溶媒に溶解させることが必要と考えられてきた。このため逆に溶媒に溶けない基質を反応させることは苦手である。基質の溶解度が低い場合、DMFなどの溶解力の高い高沸点溶媒を用いて、高温で長時間反応し続けるというのが唯一の対応のように思われる。これに対して、ボールミル反応では、基質すべてを溶媒に溶かすことが必ずしも必要でないため、難溶性基質を直接反応させることができる可能性がある。検討の結果、筆者らは、ヒートガンを用いて、120℃前後の高温下でクロスカップリング反応を行うことにより、難溶性化合物の反応がボールミル条件で実施できることを明らかにした(図4)6)。図4の反応では、トルエン中120℃で60分反応させても30%程度しか反応しない。ボールミルを用いても、室温ではほとんど反応は進

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