MEDCHEM NEWS Vol.34 No.2
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――――――1M TEA1M TEA/AcOH――1M AcOH1M TEA/AcOH―1M TEA/AcOH―2.656.01M TEA/AcOH――――――(x mmol)――0.554――a A mixture with the corresponding cyclic tautomer, b 100mM potassium phosphate, c 100mM sodium borate.>100>100>100>100(mmol)(mmol)HONSOOFSOOSNOH90表1  CNSおよびスルホニルフルオリドのアミン反応性プロファイルt1/2(h)(×10-4 M-1s-1)1.840.3336.050.34714(R = Et)15(R = Me)16(R = i-Pr) n-BuNH2(y mmol)orSolvent, 37°C18BuHNNHOSNOHBuCompound14a1715a161918SolventBuffer(pH 7.4)b, 10% MeCN 1Buffer(pH 9.42)c, 10% MeCN 1100% MeCN100100% MeCN100100% MeCN100Buffer(pH 7.4)b, 10% MeCN 1100% MeCN100xykRNRAdditive 10 0 10 0250250250 10 0250No reactionNo reactionし、activity-based protein profiling(ABPP)によりプロテオーム反応性を評価した。すなわち、A431細胞を各プローブで処理したのちにライセート化し、ローダミンアジドとの銅触媒アジド-アルキン環化付加を行った。SDS-PAGEと続くゲル内蛍光解析により、ラベル化されたタンパク質を可視化した(図2)。その結果、CNS 9がスルホニルフルオリドSF1と比べ、穏やかなプロテオーム反応性を示すことを見出した。一方、環化体を生じない10や11ではラベル化が見られず、環鎖互変異性が9のプロテオーム反応性に関与することが示唆された。これらの結果から、新規アミン反応基としてCNSに着目した。3. CNSのインビトロ反応性プロファイル CNSの詳細な反応性プロファイルを明らかにするため、CNS 14と各種モデル求核剤との反応をHPLCで追跡した(表1)。はじめに、10%アセトニトリルを含む水系バッファー中で14(1mM)とブチルアミン(10mM)を反応させたが、付加体の生成は見られなかった。100%アセトニトリル中、より高濃度で反応させても同様であった。トリエチルアミンを添加してCNSの環化を促進7)しても反応しなかったが、さらに酢酸を添加したところアミンの付加が進行し、生成物としてアミジン17が得られた。興味深いことに、酢酸のみを添加した場合でも、反応速度は低下したものの17が生成した。これらのことから、CNSが環化してもそのままでは求電子性が不十分で、図1のようにイミン窒素のプロトン化による活性化を経てアミンと反応したと考えられる。総合すると、CNSは疎水的な環境で、環化体を活性化するプロトン源がある場合にアミン反応性を示した。実際にタンパク質のアミノ基と反応する際の微小環境はこれらの条件を満たしており、バルクの水中とは異なる環境にあると推測される。 スルホンアミドのアルキル基Rの嵩高さはアミン反応性に影響し、15(R=Me)は14(Et)の約3倍、16(i-Pr)は14の約0.2倍の反応性となった。ベンゼン環についても、14のシアノ基の3, 4位にさまざまな置換基(-F、-OMe、-NO2、-CF3)を導入した誘導体を検討したが、反応性は14の2.1〜0.6倍の範囲内であり、スルホンアミド窒素の置換基と比べ影響は小さかった。 CNS 14の高い水中安定性(半減期100時間以上)とは対照的に、スルホニルフルオリド18は半減期6時間で分解した。また、14が水系バッファー中でアミン反応性を示さなかったのに対し、18は水中でもアミン付加体19を与えた。一方、酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)添加アセトニトリル中では、14の方が18より高いアミン反応性を示した。CNSはTEAA-アセトニトリル中でプロトン化による活性化を受けるため、反応性の序列が逆転したと考えられる。また、CNS 14とブタノール、フェノール、およびN-アセチルシステインとの反応も検討したが、水中とTEAA-アセトニトリル

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