SF16-c9-c6-cH2OH2NH2NHONSONHNOOXNXOONNRHNRRNRXRNYRRNNOONORNR123456789OFSOOArSNOH2NNNHHH2NNSOOOSNOHO4(Y = OH)5(Y = OMe)6(Y = NHMe)7(Y = NMe2)NHFOSONSOO9-cOSYO891(X = CH)2(X = N)3(X = COH)8(Y = NH2)9(Y = NHMe)10(Y = NMe2)図2 ベンゾニトリル誘導体の生細胞プロテオーム反応性図1 コバレントドラッグに利用されるアミン反応基Benzaldehydes(X = OH, B(OH)2)NH(−)1011Acylating agentsOSulfonyl fluoridesThis Work: 2-Cyanoarenesulfonamides(CNS)SF1NHR =SOONHMe11KDa150 -100 -75 -50 -37 -25 -20 -A431 cells, [Probe] = 100μM, 37℃, 3hOHVoxelotorHNNHORSNOHジン付加体を形成することが知られており2,3)、生体内で安定かつリジン残基のみを不可逆的に修飾する反応基として期待できる。 単純なベンゾニトリルは、水溶液中でアミン反応性を示さない4)。一方、ニトリルにチオールまたはアルコールが付加した生成物である(チオ)イミデートは、タンパク質中のリジン側鎖アミノ基と反応する2,5)。このことから、ベンゾニトリルの2位に適切な求核剤を配置すれば、本来不活性なニトリルをアミン反応基として活性化できると考えた。そこで、2位にさまざまな置換基を有するベンゾニトリル誘導体1-11を合成した(図2)。このうち6と9については、ベンゾニトリルに加え環化体6-c, 9-cも安定に単離された(cは閉環体/closedを表す)。なお、9のようなCNSの環鎖互変異性は、過去に報告されていた6,7)。1-11にはアルキンタグを導入2. 新規アミン反応性求電子基の探索 リジン標的コバレントリガンドに利用されるアミン反応基としては、アシル化剤やスルホニルフルオリド、芳香族アルデヒドが代表的である(図1)。しかし、これらのアミン反応基は化学的・代謝的安定性や、化学選択 性といった面で課題があり、承認薬で実績があるのはvoxelotorに見られるサリチルアルデヒドのみである。筆者らは新規アミン反応基の探索にあたり、ニトリルに着目した。ニトリルはさまざまな官能基のバイオアイソスターとして知られ、生体内での高い安定性が期待できる1)。また、プロテアーゼの触媒性セリンやシステイン残基に対する可逆的な反応基として、コバレントドラッグにも利用されている。一方、報告例はごく限られているものの、ニトリルはリジン側鎖アミノ基と安定なアミ
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