9(MT-7117)1(racemate)*Data of HCl salt76社内ヒット化合物三級アミドへの変換図4 化合物9(MT-7117)の創出に至る化合物探索50%@10μM219nM(IA=86%)hMC1R EC50hCLinthERG inhibitionCaco2IA=intrinsic activityhMC1R EC50hCLinthERG inhibitionCaco2261nM(IA=136%)27μL/min/mgIC50=31μM384×10−7cm/secortho位へ置換基導入460nM(IA=104%)<10μL/min/mg8%@10μMNot tested660μL/min/mg92%@10μMNot tested18nM(IA=98%)32μL/min/mgIC50=17μM300×10−7cm/secカルボン酸導入脂溶性基導入置換基最適化フッ素原子導入2345677nM(IA=158%)25μL/min/mg81%@10μM1.1×10−7cm/sec8.2nM(IA=77%)42μL/min/mg*IC50=13μM*166×10−7cm/sec*29nM(IA=136%)198μL/min/mg61%@10μM17×10−7cm/sec1068nM(IA=136%)116μL/min/mgNot tested203×10−7cm/secざまな検討を行った。例えばtBu基にF原子を導入した5は、4と比較して10倍以上の活性減弱を招くなど、活性面で散々な結果の連続であった。そんな折、ある研究員がピロリジン環3位にF原子を導入した6を合成してはどうかと提案してきた。6は塩基性の低下によるhERG遮断活性の改善や、zwitterionとしての性質が和らぐことから、Caco2膜透過性の向上はある程度予想できたが、肝心の活性については期待薄だろうと提案した本人も含めて誰もが思っていた。なかば「ダメ元でやってみよう」の精神で合成してみたところ、驚いたことに6は2〜3倍程度に活性が向上することを見出した。この理由は明らかではないが、F原子がMC1Rタンパクと新たな相互作用を獲得したのではないかと推察している。イミダゾールアミドから三級アミドへの変換:6を起点化合物としてさらなる周辺化合物の探索を進めたが、活性向上とともに薬物動態や安全性の両立ができずにいた。この行き詰まりを打破するために、骨格の大きな変換にチャレンジした。すなわち、活性面では厳しいだろうと予想しつつも、少なくとも6のもう1つの課題であるCaco2膜透過性の改善にはつながると考えて、プロ3. 化合物探索 端緒化合物からMT-7117(9)創出に至る化合物探索を図4に示した。端緒化合物の取得:まず、社内スクリーニングによりヒット化合物1を取得した。1は非常に低活性であったが、ベンズイミダゾールおよびベンジル部位の変換により、活性が向上したモルホリノ基を有するベンジルイミダゾール2を見出した。カルボン酸の導入:2は活性が向上したものの代謝安定性が低く、さらにhERG遮断活性が非常に強いことも問題であった。これらを克服すべく、脂溶性を下げる極性官能基を導入した結果、活性を保持しながら代謝安定性とhERG遮断活性を劇的に改善するイソニペコチン酸を有する化合物3を見出した。ピロリジン環へのF原子の導入:3のベンジル基上にCF3基を導入した4はさらなる強い活性と良好な代謝安定性を両立することがわかった7)。一方で、4は再び強いhERG遮断活性が問題となった。4のピロリジン環窒素原子の塩基性がその一因と考え、塩基性を下げるさま
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