73AUTHOR さて、読者の中にも、一度は海外で「多様性」に富んだ環境で研究生活を過ごしてみたいと思われている方もいらっしゃると推察する。では、「多様性」を経験するには海外へ行かなければならないのであろうか。筆者は必ずしもそうは思わない。確かに、日本国内で業務・研究に取り組んでいると、外国人と一緒に仕事・研究をする機会が少なく、「多様性」をはっきりと認識できる環境ではないかもしれない。だが、そのような国籍や人種だけが「多様性」なのであろうか。周りにいる研究者、チームメンバーをよく見ていていただきたい。実に多様な人が皆さんの周囲にいらっしゃると思う。よく見て、よく話を聴いて、しっかりとコミュニケーションをとれば、身近に存在する「多様性」に気がつくことができると筆者は考えている。その多様性に気づき、そして多様な力を結集することができれば、患者様の役に立つ新薬の発見・開発につながると強く信じている。高橋明彦(たかはし あきひこ)理学博士1978年生まれ。2006年に日本たばこ産業株式会社へ入社し、医薬総合研究所化学研究所にてメディシナルケミストとして勤務。2019〜2020年に、Akros Pharma社へ出向。2023年からはi2i-Labo(innovation to implementation laboratories)にて創薬研究に取り組んでいる。実行委員長挨拶(HP 抜粋) 実行委員長を拝命いたしました塩野義製薬の山脇でございます。 第41回メディシナルケミストリーシンポジウムを2024年11月20日(水)~11月22日(金)の日程で、京都テルサにて開催させていただくことになりました。 第41回は「創薬化学の最前線 力と技、そして創造」というキーメッセージを設定いたしました。創薬化学における多くの研究は1つの技術だけでは完結せず、合成化学はもとより、化合物デザイン、分析や生物活性評価に加え、創薬スピードを向上する技術など多岐に渡る研究が融合して創薬という成果に導きます。1つ1つの技術は非常に貴重であり、それらを生み出す研究者の発想や苦労が創薬の基盤を構築していることは言うまでもありませんが、研究者の創造によりそれらが融合されてシナジーを生むことこそ創薬研究の醍醐味だと考えております。この第41回メディシナルケミストリーシンポジウムでは、最先端の研究成果を披露していただくと共に、それらの融合の機会になることを期待します。 招待講演では、分野のキーオピニオンリーダーとして活躍される先生方に加え、注目すべき研究成果を創出された先生方を中心にご講演していただく予定です。また受賞講演では、医薬化学部会賞や第40回メディシナルケミストリーシンポジウム優秀賞を受賞された研究者の皆様のご発表を計画しています。 一般講演及びポスター発表では、企業や大学で最新の 研究を進めておられる研究者の方々に成果を発表してい ただきたいと思います。前回に引き続き一般講演から選 ばれる医薬化学部会MCS優秀賞及び学部生・大学院生を対象とした新人賞に加え、エルゼビア社よりBioorganic Medicinal Chemistry(BMC)及びBioorganic & Medicinal Chemistry Letters(BMCL)のご支援による“BMC/BMCL賞”を設けておりますので、多数のエントリーをお待ちしております。主 催:公益社団法人 日本薬学会 医薬化学部会協賛(予定):公益社団法人 日本薬学会・化学系薬学部会、同・生物系薬学部会、同・構造活性相関部会、同・生薬天然物部会、同・物理系薬学部会、同・薬理系薬学部会事務局 実行委員長:山脇 健二(塩野義製薬株式会社)〒561−0825 大阪府豊中市二葉町3−1−1学会運営協力:株式会社コームラ「第41回メディシナルケミストリーシンポジウム」係〒501−2517 岐阜県岐阜市三輪ぷりんとぴあ3TEL:058−229−5858(平日9:00~17:30)FAX:058−229−6001E-mail: mcs2024@kohmura.co.jp詳細は、第41回メディシナルケミストリーシンポジウムHPをご参照ください。開催概要名 称:第41回メディシナルケミストリーシンポジウムテーマ:創薬化学の最前線 力と技、そして創造会 期:2024年11月20日(水)~22日(金)会 場:京都テルサ〒601−8047 京都府京都市南区東九条下殿田町70Copyright © 2024 The Pharmaceutical Society of JapanCopyright © 2024 The Pharmaceutical Society of Japan「第41回メディシナルケミストリーシンポジウム」のご案内
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