MEDCHEMNEWSVol34No1
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4. 核酸医薬smeWG開発事業連携講演会国内最先端技術開発情報図3  研究会活動の緩やかな連携体制smeWG活動AMED先端的バイオ創薬等基盤次世代抗体JABEX連携バイオ戦略GTBsmeWG核酸医薬遺伝子細胞治療海外バイオプロセス関係オピニオン団体活動情報創薬モダリティ基盤研究会新治療技術メンバー相互の連携smeWGBioPhorum(BPOG)連携講演会smeWGsmeWG9京大学工学部教授)がリーダーとして、活動を進めて いる。 多重特異性抗体、低分子化抗体、ADC、部位特異的医薬送達技術(DDS)、AIを用いた配列エンジニアリングなどの新しい技術によって生み出される、いわゆる“次世代抗体医薬”の登場は、「抗原の枯渇により抗体医薬の発展は限界を迎える」といった予想を裏切り、抗体医薬が今後少なくとも10年間は医薬品の主要な地位に留まることを予想させる。「抗体医薬品の研究の裾野がさらに広がり、臨床現場からの需要に応じた抗体の開発が今後も続くとすると、アカデミア発シーズが活用され、国内からの次世代抗体創薬が連続的に実現されるためには、どのような基盤が必要になるだろうか?」といった問題意識から、抗体創薬を加速するために、バイオロジクスセンターを中心としたプラットフォーム組織をつくることを発案し1)、これを支える機能、人材などの視点で協議を進めてきた。ここでバイオロジクスセンターと命名した意図は、コロナ禍でmRNAワクチン開発力、供給力の欧米とのギャップを目の当たりにした経験からきたものであり、抗体に限らず広く国内のバイオロジクス創薬力、供給力の脆弱さを解決したいと考えたことによる。 特に創薬力に関しては、より多くの創薬標的を取り込む(量で対応)、質を高める(特許、権利などに対応)、より迅速に開発候補品を生み出す(速さで対応)ための重要技術の同定と強化の観点で調査と議論を進め、プロジェクト化の可能性について検討を進めている。 核酸医薬smeWGは、本研究会副会長の和田猛氏(東京理科大学薬学部教授)がリーダーとして活動を進めている。 核酸医薬品の中には、アンチセンス・siRNA・アプタマーなど、さまざまな分子があり、DDSをはじめ、さまざまな技術と組み合わせることで、従来の医薬品ではターゲットにできなかった新しい創薬標的を狙うことができる。本WGでは、創薬から治療にわたる幅広い観点で、核酸医薬の応用性、可能性について検討を進めている。技術・ビジネス・規制の各分野における課題の抽出、核酸医薬品の開発状況、出願中の核酸医薬品関連特許、科学論文に関する調査と分析を行い、核酸医薬の今後の展望をアップデートしつつ、AMED事業への応募も考慮した活動を進めている。 これまでにWGで議論されたトピックとしては、DDS、複雑化する核酸医薬の定義、国内製造能力、コストや大量合成などの製造課題、臨床治験の実施、長鎖RNA、薬効評価系の開発などがあげられる。講演会については、「RNA編集技術と新たな核酸医薬品」「核酸医薬と希少疾患に対するN-of-1試験について」「DDSでひも解く核酸医薬実用化への道」「エクソソーム随伴型のDDSを可能にするExomiR-Tracker技術」などを

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