MEDCHEMNEWSVol34No1
7/56

7〔SUMMARY〕1. はじめに2. smeWG活動についてMEDCHEM NEWS 34(1)7-11(2024)Keyword JBA Study group on Platform Technology for New Modalities in Drug Discovery, research activity.久保庭均Hitoshi Kuboniwa*1 本研究会は2019年11月に発足し、活動は5年目を迎える1)。同じ2019年に、内閣府より「2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会を実現」することを目指したバイオエコノミー戦略が発信され、JABEX(バイオ産業人会議)ならびにJBA(バイオインダストリー協会)もこれを支援してきた。本研究会は、「日本の創薬モダリティ研究、産業の振興を図り、新たな治療法を連続的に生み出すことで、イノベーションを通じて世界に貢献する」ことをミッションとし、さらに「創薬モダリティに軸足を置いた議論・研究を通じて、日本のバイオエコノミー戦略の推進に資する」ことをビジョンに掲げている。 2023年時点で、96機関(17大学等公的研究機関、76企業、3団体・組合)に参画いただいており、(1)各分野の専門家によるsmeWG(subject matter expert Working Group)活動、(2)広報、講演、啓発活動、 (3)提言・実践活動を活動の3つの柱に位置づけている(図1)。smeWG活動を始めるにあたっては、すでに社会実装されているモダリティ(次世代抗体医薬、核酸医薬、遺伝子細胞治療)WGに、新規モダリティについて 本研究会は、「日本の創薬モダリティ研究、産業の振興を図り、新たな治療法を連続的に生み出すことで、イノベーションを通じて世界に貢献する」ことをミッションとして、2019年11月に発足した。本研究会の活動の3つの柱は次のとおりである。(1)専門家による4つのsubject matter expert Working Group(smeWG)活動(次世代抗体医薬、核酸医薬、遺伝子細胞治療、新治療技術)、(2)広報、講演、啓発活動、(3)提言・実践活動。本稿では本研究会の活動内容について解説する。This research group was launched in November 2019 with the mission of “contributing to the world through innovation by promoting Japan’s drug discovery modality research and industry and continuously creating new treatments.”. The three pillars of our activities are: (1) Four subject matter expert working group (smeWG) activities by experts (next generation antibody drugs, nucleic acid drugs, gene and cell therapy, new treatment technologies) (2) Public relations, lectures, and awareness activities (3) Recommendations and practical activities. This paper will explain the activity of this study-group.考えるWG(新治療技術)を加えて4つのWGで活動を始めた。smeWG活動のメンバーは、毎年参加希望者を募り、入れ替えを行いながら闊達な議論を進めている。各WGでは、産官学の多様なメンバーからなるJBAの特徴を活かして、科学技術、ビジネス、規制などの多面的な視点で、それぞれの領域の現状と課題、今後進むべき方向性について議論を進め、提言作成、日本医療研究開発機構(AMED)事業への応募などにつなげている。また、2021年度にバイオエコノミー戦略のもとで開始されたバイオコミュニティ形成活動(Greater Tokyo Biocommunity:GTB)2)との連携も図っている。 smeWG活動は、10名程度のメンバーが定期的に集まり、リーダーを中心に、各技術領域の現状と課題、今後進むべき方向性、注目技術等々について議論し、AMED事業への応募などのプロジェクト化、フィジビリティースタディの実施、ホワイトペーパーの作成などの活動を行っている(図2)。講演に関しては、注目するテーマについて産官学の演者に講演をいただき、その後、少人数の限定メンバーで、演者を囲んで議論する場を設けている。年間でおおよそ十数回の本研究会主催講演会を開催してきた。 各WGは、それぞれの分野の特性により独自の進め方*1 一般財団法人バイオインダストリー協会(JBA)JBA運営会議議長/ 創薬モダリティ基盤研究会長/バイオエンジニアリング研究会副会長Chairman Steering Committee, Japan Bioindustry Association 中外製薬株式会社 顧問Corporate Advisor, Chugai Pharmaceutical Co., Ltd.Activity of the New Modality Research Group in Drug DiscoveryJBA創薬モダリティ基盤研究会の活動

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る