MEDCHEMNEWSVol34No1
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詳細は以下のHPをご参照くださいhttps://www.pharm.or.jp/seminar/E-mail:gakuji@pharm.or.jp74,000円47,000円80,000円46AUTHOR参考文献 1) 周東 智, 有機医薬分子論2.0─薬理活性を理解する化学:創薬と臨床の礎として, 京都廣川書店 (2023) 2) 周東 智, 論理的分子設計に基づく創薬化学研究, 薬学雑誌, 進展に寄与することで、結果的に創薬に貢献できるし、薬を有機化合物として理解した質の高い創薬研究者および薬剤師の育成も可能にするのではなかろうか。6. おわりに 以上、薬学修士課程を出て、10年間企業創薬研究に、その後30年余りを大学で創薬化学の教育・研究に従事した経験を振り返って、薬系大学における有機化学・創薬化学・アカデミア創薬について思うことを、老婆心ならぬ老爺心から勝手に書いてみました。年寄りの妄言と読み流していただいて構いませんが、もし薬学部有機化学系教員の皆様に多少でも参考になることがあれば幸いです。参加費:一般(日本薬学会会員)学生(日本薬学会会員)非会員問合先:日本薬学会学術課創薬セミナー係委員長:王子田 彰夫(九州大学大学院薬学研究院)140, 329‒344 (2020)周東智(しゅうとう さとし)1982年 北海道大学大学院薬学研究科修士課程修了同 年 東洋醸造株式会社医薬品研究所研究員1988年 薬学博士(北海道大学)1992年 旭化成工業株式会社ライフサイエンス総合研究所 研究員同 年 北海道大学薬学部 助教授 大学に相応しい論理的創薬化学の研究・教育を志すこの間、1999年4月~2000年1月英国バース大学薬学部客員教授2005年 北海道大学大学院薬学研究科教授2006年 北海道大学大学院薬学研究院教授2023年3月 同定年退職/名誉教授  第39回創薬セミナー  聞いて、話して、学んで、創薬5. アカデミア創薬 最後に、アカデミア創薬に触れたい。筆者は、実は、企業を辞めて大学へ移った時点で創薬を断念した。大学で創薬は無理だと思った。その理由は、資金・設備がない、ノウハウと人材がない、あるいは特許戦略と成果の発信(学会発表や論文化)が両立しない、長時間を要し過ぎることなどがある。しかし、創薬という多大なルーチンワークを要する行為自体が、そもそも研究者育成を目的とする教育機関である大学に適さないことが最大の理由である。 日本におけるアカデミア創薬は、決して容易ではない。それは、大学病院での医師主導治験による適応症拡大の成功例などはあるものの、本質的な新薬開発の成功例はない事実が裏付ける。本庶先生が見出したオプジーボも、開発を担ったのは米国のベンチャー・メダレックス社(その後ブリストル・マイヤーズスクイブが買収)である。昨今、資金・設備、特許などの面では、アカデミア創薬の環境は改善されているが、多くのルーチンワークを要する創薬が、教育機関である大学に適さないことに変わりはない。 昨今のアカデミア創薬機運に水を差すようで恐縮であるが、AMEDから研究費が出るからといって、単に募集課題に合わせた節操のない応募は謹んでいただきたい。もちろん、独自のアイディアや方法論に基づく応募は積極的にしていただきたい。 アカデミアの創薬化学研究者の方々には、論理的・一般的な、すなわちサイエンスたりえる創薬化学研究に取り組んでいただきたい。サイエンスとしての創薬化学の日 時:2024年7月10日(水)〜12日(金)場 所:RoyalHotel長野(2024年4月〜:メルキュール長野松代リゾート&スパ)主 催:日本薬学会創薬セミナー委員会Copyright © 2024 The Pharmaceutical Society of JapanCopyright © 2024 The Pharmaceutical Society of Japan

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