MEDCHEMNEWSVol34No1
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(A)(G)(F)).u.ay().u.ay(ecnabrosbadezecnabrosbadezecnabrosba dezilililamroNamroNamroNtisnetni tisnetni 1−mc 33221−mc 3322SRSSRSPED-NC9RED-NC9H2N04005006007008000400500600700800+NOO584 86425 8400ーO+N3103090(DMSO %)3103090(DMSO %)0200002000(B)カチオンフォーム双性イオンフォーム凝集性:低図1  9CN-rhodolと9CN-pyroninの凝集体形成能凝集性:高(C)(μM)(D)(μM)(E)3% DMSO10% DMSO30% DMSO90% DMSO9CN-DEP(A)9CN-DEPと9CN-DERの化学構造式。(B)色素のPBS/DMSO混合溶液の顕微鏡画像。(C, D)PBS中で9CN-DEP(C)および9CN-DER(D)の濃度を変えた際の吸収スペクトル変化。(E)(C, D)における濃度に対する吸光度の推移。(F, G)9CN-DEP(F)および9CN-DER(G)のPBS/DMSO混合溶液中でのSRSスペクトルおよびSRS画像、スケールバー:10μm。CN9CN-DER20CN161210010Wavelength(nm) 10080604020210022002300Wavenumber(cm−1)100Wavelength(nm)4003002001002100Wavenumber(cm−1)209CN-DEP9CN-DER161220406080100Concentration(μM)2200230021ローブが凝集体を形成することで細胞内滞留性を向上させる戦略を考えた。ここで、先行研究でプローブ母核として使用した9CN-pyroninのアミノ基をヒドロキシ基に置換した9CN-rhodolが中性条件下で凝集体を形成しやすいことを見出して、プローブ母核として検討することとした。 はじめに、9CN-pyroninと9CN-rhodolの凝集性の違いを評価するために、パイロット化合物として9CN-DEPと9CN-DER(図1A)を用いて評価を行うこととした。そこで、各色素をPBS(pH7.4)中に溶解させた水溶液を顕微鏡で観察したところ、9CN-DEPでは有機溶媒であるDMSOの混合割合に関わらずほぼ均一な溶液として観察されたのに対し、9CN-DERではDMSOの割合が低下するにつれて顕著に凝集体の量が増大する様子が観察された(図1B)。つづいて、PBS中で色素濃度を5μMから100μMまで変化させた際の吸収スペクトルを測定したところ、9CN-DEPでは吸光度が色素濃度に比例して線形的に上昇していったのに対し、9CN-DERでは吸光度の上昇が頭打ちになるとともに長波長側に大きくテーリングしたスペクトル概形を示すようになり、色素が水溶液中で凝集していることが示唆された(図1C-E)。最後に、SRS(誘導ラマン散乱)顕微鏡10~12)で図1Bと同様の条件で調製した色素溶液を観察したところ、9CN- DEPではDMSOの割合に関わらずほぼ一定のSRS信号強度を示し、顕微画像も均一な溶液として得られたのに対し、9CN-DERではDMSOの割合が低下するに従ってSRS信号強度が大きく増大し、顕微画像でも凝集体と思われる明るい輝点が多数観察されるようになった(図1F, G)。 以上の検討結果から、9CN-DERは9CN-DEPと比べて高い凝集体形成能を有していることが示唆された。なお、同様の検討を9CN-DERのフェノール性水酸基がプロトン化されてカチオン体として存在するようになる酸性条件下で行ったところ、9CN-DERは吸収波長が短波長化するとともに凝集性が観察されなくなり、キサンテン母核の荷電状態によって凝集性が変化している可能性が示唆された。カチオン体の性質は9CN-rhodolに酵素反応部位を結合させたプローブの性質を模倣していると考えられるため、9CN-rhodolプローブは吸収波長が短くかつ凝集性が低い性質を有することが予想された。吸収波長の長波長化は1分子あたりのSRS信号強度をactivateするのに有効であることが9CN-pyroninを用いた先行研究で明らかとなっていたため、9CN-rhodolプローブは9CN-pyroninプローブのactivation戦略を維持しつつ、酵素反応に伴って凝集性もactivateされるプローブとなり得ることが期待された。

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