7. おわりに16AUTHORパーソナリティーで、どういった接し方が心地良いのかなどをその人ごとに理解して、仕事以外の話題も繋げていくことである。筆者のグループ内では、毎週個別に30分程会ってプロジェクトの問題点や進捗などを話し合うが、基本的に最初の5分間はプロジェクト以外のことを何か話すように心がけている。 創薬研究を目一杯楽しむことができている筆者の今の環境は、いくつかの偶然とたくさんの人のサポートで成り立っていて、決して当たり前のように成り立っているわけではない。 柳澤章教授(千葉大学)、そして山本尚教授(中部大学)には、筆者の人生の岐路で力強く背中を押していただき、また研究することの楽しさや厳しさを教えていただき感謝している。 旧ファイザー中央研究所のメドケムグループの皆様には入社後、そして研究所閉鎖決定後もそれぞれが先行き不安定な中、創薬研究に関して本当に親身に教えていただき、たくさんの相談にも乗っていただいた。その土台参考文献 1) Futatsugi, K., et al., J. Med. Chem., 65, 15000‒15013 (2022) 2) Futatsugi, K., et al., J. Med. Chem., 58, 7173‒7185 (2015) 3) Amin, N.B., et al., Sci. Transl. Med., 11, (2019) 4) Flipski, K.J., et al., ACS Med. Chem. Lett., 14, 1427‒1433 (2023) 5) Maurer, T.S., et al., Drug. Discov. Today., 27, 538‒546 (2022) 6) Brodney, M.D., et al., J. Comput. Chem., 44, 788‒800 (2023)がなければアメリカに渡ってからのスタートは決してうまく切れなかった。ここに深く感謝したい。最後に、アメリカに渡って創薬研究を続けることを応援し、あらゆる面で支えてくれている妻と日本の家族、友人達に心から感謝したい。二木建太郎(ふたつぎ けんたろう)2006年 シカゴ大学化学科博士課程修了同 年 ファイザー株式会社中央研究所入社2007年 Senior Scientist, Groton research laboratory, Pfizer Inc.2012年 Senior Principal Scientist, Cambridge research laboratory2017年 Associate Research Fellow, inflammation & immunology medicinal chemistry2021年より現職DGAT2阻害剤 肝臓におけるトリグリセリド生合成の最終段階に関わる酵素ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(diacylglycerol O-acyltransferase, DGAT)には2種類のアイソフォーム、DGAT1とDGAT2が存在する。DGAT2阻害剤は、そのうちDGAT2の酵素活性を選択的に阻害する。DGAT2阻害剤は肝臓内の脂肪蓄積の抑制を期待され、現在、非アルコール性脂肪肝の新規治療薬として開発中である。最も臨床開発が進んでいるものとしては、アンチセンスオリゴヌクレオチドION224(IONIS)、経口低分子阻害剤ervogastat(Pfizer)が挙げられ、共にフェーズⅡにて臨床開発中二木建太郎(Pfizer Inc.)である。 Copyright © 2024 The Pharmaceutical Society of JapanCopyright © 2024 The Pharmaceutical Society of Japan用語解説
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