MEDCHEM NEWS Vol.33 No.4
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3. 開始から11年間の開催状況4. COVID-19パンデミックの影響202写真1  金沢大学での創薬人育成事業の講義風景(2023年6月)表2 11年間(2012年~2022年)の受講者数とそこに占める学生の割合等受講者数25,671人 2,334人延べ数年平均23,529人 2,139人学生数21,356人 1,941人表1  11年間(2012年~2022年)の講師数、開催数および講義数延べ数年平均薬学会非会員学生数受講者中の学生割合学生数中の非会員割合全講師数女性講師数339人30.8人31人2.8人92%会場数243会場22.1会場講義数454回41.3回91%⑥ 開催案内:広く周知するために、MEDCHEM NEWS、ファルマシアのほか、医薬化学部会ホームページ(以下、部会HP)および薬学会学術集会カレンダーに予告・案内を掲載する。は最大2回/年、1企業の講義数は最大4回/年とする申し合わせのもと、実行委員長が全地域からの要望を調整し割り振りを行う。 2015年ごろには地域ごとに独自の開催方法がほぼ確立されていた。北海道、東北、北陸、中国・四国、九 州・山口(以下、地方5地域)は、その地域にある国立大学において毎年開催されてきた(写真1)。1講義を 1講師が担当するとして、多くの大学では2講義を1回で開催してきたのに対し、北海道大学と東北大学では、各地域2回開催の原則のために、それぞれ1講義を3回、2講義を2回ずつ開催していた。関東は、開催大学を薬学系と非薬学系の2つに分けて各系で3講義を1回ずつ順に担当してきた。関西は年によって開催方法が変わっていたが、2020年に国公私立大学の薬学部で毎年3校が2講義ずつ順番に開催する方針へと見直した。東海は、薬系の公立3大学、国立大学、および私大薬学部の連携協力のもと、入門的なビギナーコース(3校が1講義ずつ)と、創薬最前線や最先端創薬研究について聴講するアドバンスコース(1校で1回3講義)に担当を分け、盛況に開催してきた。 2012年~2022年までの11年間の開催状況を本事業の過去の報告書などに基づいた数字で振り返る(表1)。まず、講師数は延べ340人に上り、講義数は240会場で450回を超える。年あたりの平均では、講師数30人、22会場数で講義数は41回であった。女性講師は平均3人程度と全体の1割弱に留まっており、女性創薬化学研究者を増やすためにも今後は講師数のさらなる増加が望まれる。 受講者数は、延べ25,671人で、年あたりの平均では2,334人であった(註:受講者数についてはMEDCHEM NEWSに掲載されている値とは若干の違いが見られたが、本質的な違いはないと思われる)。いずれの年もその9割前後(平均92%、2,139人)が学生であった。一方、この学生受講者のうち日本薬学会会員は少なく、約9割(平均91%、1,941人)が非会員であった(表2)。つまり、研究室配属前や、配属後でもまだ薬学会年会等での発表経験がないなど、これから研究者としてのキャリアパスを考えるべき状況の学生が多く受講したと考えられる。 2020年度は、COVID-19感染拡大のため、事業活動も大きく影響を受けた。本事業は教育的側面が強く毎年開催している大学も多いことから、即座に中止にはせず、講師を派遣する企業と会場を提供する大学等の方針や規則の遵守を条件としたうえで、開催の是非については各地域と開催会場の判断に委ねた。また、本事業は現地での対面講義で実施することになっていたが、全国的

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