MEDCHEM NEWS Vol.33 No.4
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◆巻頭言   創薬環境の変化に医薬化学部会が果たす役割 ◆創薬最前線  JBA創薬モダリティ基盤研究会活動 ◆WINDOW  ファイザー社における創薬研究 ◆ESSAY 【特集】創薬を支える計測・検出技術の最前線 ・創薬を志向した最先端生体計測・検出技術  ・凝集体形成を活用した新規activatable型ラマンプローブによるバイオイメージング  ・生命現象の理解と病態診断に貢献する超偏極MRI分子プローブ  ・酸化脂質研究の最前線 ~検出・構造解析から疾患制御へ~  ・細胞内環境で安定化する核酸構造を標的にした低分子薬の開発 ◆DISCOVERY  薬学部における有機化学と創薬化学 ◆Coffee Break  薬に関連する仕事に携わるなら一度は行きたい東京薬科大学史料館 ◆REPORT  RNA標的低分子創薬に関連した2学会の参加報告 200MEDCHEM NEWS 33(4)200-200(2023)ビデンス(「見える世界」)で医療や科学の有用性を信じている。果たして、その「見える世界」だけを信じる医療や科学で良いのか。たとえば、鍼灸の経絡の存在の真偽は、実臨床において鍼灸に頼る患者が多いにも関わらず、今の科学技術では、未だに「見えない世界」(今風の科学的エビデンスがない)であるために、曖昧のままである。今、マスコミを含め、医療の世界でも、「見える世界」だけでサイエンスを語ろうとしているのではないだろうか。それが当たり前になると、大切な本質的な科学を見失ってしまうのではないだろうか。2000年以上前は、今のような数値や分子で解析できる「見える世界」ではなかったが、その時代の哲学者、数学者、そして芸術家は、「見えない世界」をどう見える化するかを重要な研究テーマにしていた。そして、当時の科学的な考察は、2000年以上も経った今もなお、多くの科学の本質的な原理として活用されている。自分にとって都合が良い理論や考え方だけで科学を説明するのではなく、自然と調和する最適解は何かを永遠に追い求めていく科学者魂が大切である。2000年以上前の科学者の思考を知れば知るほど、多くの新たな気づきが生まれる。甲斐広文(かい ひろふみ)熊本大学大学院薬学研究科修士課程修了。熊本大学薬学博士。エーザイ(株)筑波研究所研究員、熊本大学薬学部助手、UCSF硏究員、助教授、教授、学長特別補佐、薬学部長、副学長等を経て、2023年3月末で早期退職。現在、客員教授として基礎 研究を継続しつつ、(株)C-HAS+のCSO、(株) GALTS Pharma(8月設立)のCEOとして、研究成果の社会実装に取り組む。日本薬理学会理事。青木 一真(第一三共株式会社)久保庭 均(JBA創薬モダリティ基盤研究会)二木 建太郎(Pfizer Inc.)浦野 泰照(東京大学大学院薬学系研究科)周東 智(北海道大学大学院薬学研究院)味戸 慶一(北里環境科学センター)中村 晃史(第一三共株式会社)※編集上の都合により、タイトル、掲載等に変更が生じることがあります。神谷 真子・藤岡 礼任(東京工業大学生命理工学院)谷田部 浩行・山東 信介(東京大学大学院工学系研究科)山田 健一(九州大学大学院薬学研究院)三好 大輔・橋本 佳樹・川内 敬子(甲南大学フロンティアサイエンス学部)  NEXT ISSUE次号予告〔Vol.34 No.1 2024年2月1日発行〕 AUTHOR Copyright © 2023 The Pharmaceutical Society of JapanCoffee Break

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