合化③絡連合化の④送発物③化合物の連絡④化合物発送B社A社ID物ID7. すべてはお客様の研究開発のためにキシダ化学179②化合物ID取得①欲しい化合物の検索図4 J-PUBLICあるいはBALUEにおけるキシダ化学の役割共通データベース残量構造・・・・・・・・・②化合物ID取得①欲しい化合物の検索AB123456CD456789EF100586化合物IDXXXXXXXXXXXXて利用するオープンイノベーションが始まったころに、新薬合成研究効率化のために自社で合成したビルディングブロック(BB)を他社とも共有して利用しようという機運が高まり、国内5つの製薬企業が一堂に会してビルディングブロック相互利用コンソーシアム(BALUE)を立ち上げた。キシダ化学は5つの製薬企業から拠出されたBBを一つの倉庫に保管し、利用を希望する各製薬企業の研究員からのオーダーに従って出庫し、指定容器に秤量して納品する役割を担っている(図4)。2017年 3月よりBALUEにおける出庫が開始され、これまでに入れ替わりは発生しているが、現在も国内6社が参画している。 BALUEの特徴は、入手困難な各社所有のBBを迅速かつ格安で利用できることである。すなわち、BALUEの主なBBは購入が困難な自社合成品であり、BALUE以外のルートで入手するためには、通常、社内の研究員が一定の時間をかけて合成する必要がある。例えば、BALUEライブラリを1化合物利用することは、3~4日程度の合成タスクと合成用試薬購入費の削減につながる。したがって、BALUEライブラリを100化合物利用するだけでも合成にかかるタスクと費用をその100倍軽減できることになる。BALUEのBBは、各社のプロジェクトで実際に活用された化合物であり、出庫したBBについては自由に使用・処分できる運用としている。ま た、使用の結果得られた成果についても、出庫した各社研究員に独占的に帰属するルールとした。すなわち、出庫したBBについては自由に使用・処分でき、使用の結果得られた成果は、出庫した各会員に独占的に帰属する。なお、BALUE BBの知財権を含む権利そのものは、提供した会社が保有したままであることから、多検体合成等の合成研究での活用を目的としており、出庫したBBそのものを創薬研究に用いること、例えばフラグメント創薬では利用しないこともルールとして定めている。 創薬コンソーシアムは一つの目的を達成するための共同体ではあるが、それぞれの参加各社に存在している独自の文化あるいは価値観が存在するため、それらを踏まえたうえで一つの運用形態に落とし込むことは容易ではない。キシダ化学は、それら各創薬コンソーシアムの幹事会と一体となって参加各社の要望に最大限配慮した運用方法を提案し、創薬⽀援業務に特化している。その結果、いずれの創薬コンソーシアムでも参加各社が短時間かつ安価に多くの目的化合物の入手が可能となり、研究の効率化および活性化に貢献していると考えている。また創薬コンソーシアムの化合物ライブラリには自社のみならず他社の研究員の観点から選択された化合物も含まれていることから、自社品のみのスクリーニングあるいは自社品のみをリード化合物とした合成研究では入手できないような成果につながる可能性がある。 創薬コンソーシアムにおけるキシダ化学の取り組みは、いずれも参加会員の研究開発に貢献することが主目的である。今後も参加会員の信頼を積み重ねていくことで、創薬コンソーシアムがさらに発展し、そこから画期的な新薬が誕生することを期待している。
元のページ ../index.html#27