◆巻頭言 秤量と定量◆創薬最前線 RNA標的低分子創薬への期待と課題◆WINDOW 英国ダンディー大学Ciulli研での研究生活 〜日本や米国との環境の違いを交えて〜◆ESSAY マイクロバイオーム創薬の現状と課題 すべてはお客様の研究開発のために ─創薬コンソーシアム活動におけるキシダ化学の取り組み─◆DISCOVERY HDAC8選択的阻害薬の創製とPROTACsへの応用◆SEMINAR HIVの研究を基盤とした抗SARS-CoV-2剤の創製 タンパク質凝集形成の基礎理解とアミロイドーシス発症機構の解明◆Coffee Break アートとサイエンスと薬草と、、、。◆REPORT 創薬人育成事業報告 バーチャル空間での世界最大のイベント「バーチャルマーケット」の発起人の一人であり、運営を担っている株式会社HIKKYのCVO(ChiefVirtualOfficer)が、このバーチャルイベントを企画・運営する上でのノウハウや大事にしていることを紹介している。メタバースでは、VR(VirtualReality)ゴーグルなどの機器を使って、ユーザー自身が擬似的にコンテンツの中に入るため、これまでとは質のまったく異なる体験をユーザーに提供することが可能であり、それこそがバーチャル空間でのビジネスを成功させるキーワードであるとしている。 メタバースのことをゼロから知りたいという読者のため、メタバースの源流から今日までの変遷が簡潔にまとめられている。必要な機材やソフト、プラットフォームと呼ばれるサービスの選び方、メタバース界隈での独特な文化や生活、作法といったものも説明されており、「メタバースって何?」という疑問を払拭し、「メタバースを始めてみようかな…」という気になると思う。扶桑社/四六判/239ページ・定価1,650円(税込)(2022年9月刊)山下 泰信・伊藤 幸裕・高田 悠里・鈴木 孝禎(大阪大学産業科学研究所)玉村 啓和(東京医科歯科大学生体材料工学研究所)中島 吉太郎・山口 圭一・後藤 祐児(大阪大学大学院工学研究科)甲斐 広文(熊本大学大学院薬学研究科)国嶋 崇隆(神戸学院大学薬学部) ただし、内容については注意が必要で、株式会社HIKKYの宣伝、求人広告のような記述が多く見られる。メタバースに関する世界的な動きや技術的な革新について網羅的に把握する目的には、適していない。 筆者である「動く城のフィオ」は、エンターテインメント業界の第一線で活躍していたが、内因性のうつ病を発症したことで、ひきこもり生活を送るようになっていたそうである。そんなときに、ネットですべてが完結し、アバターを着ることで対人恐怖症をも克服できるメタバースを「ありのままでいることを許される」「救いとなる場所」と表現し、「バーチャルで生きていく」という新たな選択肢をもっと広げることを、本のタイトル「メタバース革命」としている。こういった心境に共感を覚える読者には、本書を一読して、人生が楽になるヒントを見つけてもらいたいと思う。合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所)中谷 和彦(大阪大学産業科学研究所)石田 佑(エーザイ筑波研究所)金 倫基(慶應義塾大学薬学部)五十嵐 進(キシダ化学株式会社) NEXT ISSUE次号予告〔Vol.33 No.4 2023年11月1日発行〕松丸 直樹(岐阜薬科大学グローバルレギュラトリーサイエンス研究室)Copyright © 2023 The Pharmaceutical Society of Japan動く城のフィオ著※編集上の都合により、タイトル、掲載等に変更が生じることがあります。147紹介バーチャル経済圏のつくり方メタバース革命
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