NNNNNNNOH3C●ステム -espib●ステム「-espib」をもつ医薬品(日本名、開発企業、承認状況)AUTHORH3CCH3NH2CH34)Yahata,K.,et al.,J. Org. Chem.,82,8792‒8807(2017)5)Yahata,K.,et al.,J. Org. Chem.,82,8808‒8830(2017)6)Kawano,S.,et al.,Sci. Rep.,9,8656(2019)7)Aicher,T.D.,et al.,J. Am. Chem. Soc.,114,3162‒3164(1992)8)Aicher,T.D.,et al.,Tetrahedron Lett.,33,1549‒1552(1992)9)Fang,F.G..et al.,Tetrahedron Lett.,33,1557‒1560(1992)10)Ai,Y.,et al.,Angew. Chem. Int. Ed.,56,10791‒10795(2017)参考文献1)Uemura,D.,et al.,J. Am. Chem. Soc.,107,4796‒4798(1985)2)Hirata,Y.,et al.,Pure Appl. Chem.,58,701‒710(1986)3)Yahata,K.,et al.,Angew. Chem, Int. Ed.,56,10796‒10800(2017)定義:heatshockprotein90inhibitors(熱ショックタンパク質90阻害薬)薬効分類:抗悪性腫瘍薬1.Pimitespib(ピミテスピブ、大鵬薬品工業、2022年承認) 熱ショックタンパク質(HSP)90阻害薬を定義するステムとして「-espib」がある。細胞が生育温度より高い温度にさらされると、熱に対するストレス応答としてHSPが発現する。HSPは、分子シャペロンとして機能し、他のタンパク質のフォールディング(正しい折りたたみ)と機能獲得を介助することにより、ストレスダメージから細胞を守る働きをする。また、HSPは、タンパク質の品質管理にも関わっている。HSPは分子量によって分類され、HSP90は、分子量90kDaのHSPを現す。HSP90は、200種類を超えるクライアントタンパク質の安定化に寄与しており、その多くは受容体型チロシンキナーゼ、シグナル伝達因子、細胞周期関連因子、転写因子等のがん細胞の増殖・生存に重要な因子である。 ステム「-espib」をもつ医薬品は、HSP90を阻害することにより、HSP90が関与するKITやPDGFRα等のクライアントタンパク質を減少および枯渇させ、シグナル伝達系および細胞周期進行を阻害し、がん細胞の増殖抑制ならびにアポトーシスを誘導する。 ステム「-espib」をもつ医薬品として、ピミテスピブ(ジェセリⓇ)が承認されている。ピミテスピブは、日本の製薬企業が開発した世界初のHSP90阻害薬である。HSP90によるクライアントタンパク質の高次構造の形成を阻害することにより、腫瘍の増殖に関与するタンパク質の発現量の減少、アポトーシスの誘導等を介して腫瘍増殖抑制作用を示す。がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍に適応される。Pimitespib(ピミテスピブ)宮田 直樹、中川 秀彦(名古屋市立大学)Copyright © 2023 The Pharmaceutical Society of Japan大橋功(おおはし いさお)2002年東北大学理学部化学科卒業2004-2007年 日本学術振興会特別研究員(DC1)2007年東北大学大学院理学研究科化学専攻博士後期課岸義人(きし よしと)1966年名古屋大学大学院博士課程修了同 年名古屋大学理学部化学科助手1969年名古屋大学農学部助教授1972年ハーバード大学客員教授1974年ハーバード大学教授2002年より現職2010年名古屋大学特別教授2023年1月9日 逝去恩賜賞・日本学士院賞、アメリカ化学会賞など受賞多数程修了同 年エーザイ株式会社入社創薬第二研究所配属探索研究に従事2016年オンコロジービジネスグループハリコンドリン研究室に異動2018年より現職プロセス研究に従事Copyright © 2023 The Pharmaceutical Society of Japan135ステム手帖-21
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