1.22.0 2.84(CH7057288)4.78.16.9 2,800>10,000>10,000>10,000>10,000>10,000 1,600>10,000 2,000δβα1>10,000>10,000>10,000>10,000>10,000>10,000 7,200>10,000>10,000Tyrosine kinaseSerine/threonine kinaseAKT1CDK1CHK1PKAPKCaRAF1Table 5. Inhibitory activity of compound 1 & 4(CH7057288)against 18 kinasesClassEnzymeTRKATRKBTRKCALKEGFRFGFR2HER2INSRJAK2KDRMETSRCさせた。3bとTRKAとのドッキングモデル(Figure3)から、3bの阻害活性向上はTRKAのE560の側鎖と3bのアミドNHとの間の水素結合形成によるものと示唆された。また、末端のシクロプロピル部位をtert-ブチルへと変換することで疎水性ポケット占有率を高めTRKA阻害活性が増強される可能性が示唆された。実際にtert-ブチルアミド3cは3bからTRKA阻害活性を3倍向上させ、NIH3T3MPRIP-NTRK1IC50=14nMと細胞増殖阻害活性を向上することができた。また、ドッキングモデルからδ位周辺にも疎水性空間の存在が示唆され、この空間を埋めることでさらなる阻害活性向上を達成できるのではないかと考えた。一方、α、β位への置換基導入はK544またはE560との立体反発によりTRKA阻害活性を低下させると考えられたが、他のTRKA阻害剤とTRKAとの共結晶構造ではこれらの残基はバックポケット近傍に必ずしも位置していないことから、α、β位への置換基導入も行うこととした。α-メチル誘導体4は、TRKA阻害活性は3cと同等ながら、NIH3T3MPRIP-NTRK1IC50=8.4nMと細胞増殖阻害活性は向上した。βまたはδ-メチル誘導体5、6は、TRKA阻害活性が低下してしまった。また、4はCYP3A4relativeinductionを3cよりも低減させ、mRNAレベルでの高次評価においてもCYP3A4誘導リスクは陰性と判定された。TRKA選択性、細胞増殖阻害活性ならびにCYP3A4誘導リスクの観点から、4を最終候補品として選択して詳細な評価を行うこととした。5. 化合物4(CH7057288)のプロファイル 化合物4(CH7057288)は、ヒット化合物1が示した高いTRK選択性を維持していた(Table5)。続いて、担がんマウスモデルにおけるinvivo薬効を評価した。本化合物を0.16、0.63、2.5および10mg/kgの用量で1日1回11日間経口投与したところ、強力な腫瘍増殖阻害(TGI)を誘導し、10mg/kgにおいて顕著な体重減少もなく72%の腫瘍縮退効果を示した(Figure4)。また、FirstinclassのTRK阻害剤であるentrectinibに対する耐性変異としてG667CやG595Rが報告されており、CH7057288はG667C変異に対してwildtypeと同等の阻害活性を示すことが報告されている(Figure5a,b)4)。G667C-TRKAに対するドッキングモデルを作成したところ、entrectinibはC667残基との立体反発を示す一方、CH7057288はアルキン部位および芳香環部位がTRKAとsulfur-πおよびCH-π相互作用を形成しており、この相互作用の違いのためG667Cに対してCH7057288が有効性を示したと考えた(Figure5c)3)。6. おわりに 自社化合物ライブラリーのスクリーニングの結果、既知のTRK阻害剤とは異なる骨格を有するTRK選択的なヒット化合物1を得た。8位側鎖にH-bonddonorを付与することでCYP3A4誘導リスクを低減させ、TRKAとのドッキングモデルを活用したピリジン環部位の化学修飾によりTRKA阻害活性を向上させた。その結果得られたCH7057288は、invivo薬効modelにおいて高120Figure 3.Docking model of 3b onto TRKA (4PMM)IC50(nM)>10,000>10,000>10,000>10,000>10,000>10,000>10,000>10,000>10,000>10,000>10,000>10,000
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