5. Our R&D Spiritsと人材マネジメント6. おわりに(サイエンスで負けない)(イノベーションへの情熱)(挑戦なくして成功なし)(多様な個性が輝くチームになろう)図5 研究開発部門の「Our R&D Spirits」Be the Best in SciencePassion for InnovationEvery Challenge, a Step to SuccessThis is me. This is our team. 最後に、当社のビジョン実現に向けた活動に欠かせない人材の視点での取り組みについて紹介したい。研究開発部門では、協和キリングループの価値観である「CommitmenttoLife」および「Innovation」「Integrity」「Teamwork/Wa」に基づき、2025年に到達すべきあるべき姿/ありたい姿を目指すための、より具体的な行動指針として、「OurR&DSpirits」を策定している(図4、5)。「OurR&DSpirits」では、メンバーの個性と自由な発想を尊重し、スピード感と情熱をもちながら挑戦を続けることを推奨しており、グローバルでの成長と飛躍を目指す我々にとっての道しるべとなっている。 さらに、この「OurR&DSpirits」をグローバル共通での人材マネジメントにおける羅針盤とすることにより、グローバル・スペシャリティファーマにおける研究開発部門の人材育成にも活用している。この取り組みの一環として、「OurR&DSpirits」を体現した行動発揮を称賛し、優れた取り組みと挑戦を共有することを目的とした表彰制度として「OurR&DSpirits」の名を冠した“OurR&DSpirits”Awardおよび“OurR&DSpirits”RiskTakingAwardからなる表彰制度を運用している。 特に、難易度が年々高まる革新的な医薬品の創出という目標に向かって、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し続ける我々にとって、「チャレンジ」は必須の行動である。研究員の主体的なチャレンジを後押しし、自らの社内外ネットワークを築き上げ、新たな創薬エコシステムを確立するプログラムとして、「武者修行プロジェクト」と題した公募型の研究企画を2022年に立ち上げた。自社の研究施設とは異なる外部環境での活動をベースとして、自身のアイデアを具現化するために必須のメンバーを指名し、同じ想い/情熱をもつ多様な個性が輝くチームによる研究活動を行う予定である。参加した研究員がアントレプレナーシップを発揮・醸成することも期待しており、“武者修行”での経験が自社内の研究にもフィードバックされることで、当社の研究活動全体が活性化することを企図している。今後もこのような企画の立案から体制・制度の構築を通じて、チャレンジを推奨する組織文化をさらに浸透させたいと考えている。 研究開発型製薬企業として協和キリンが成長し続けていくため、研究組織のパイプライン創出力の向上は常に追い求めるべき課題と認識し、本稿で紹介したとおり、さまざまな取り組みを進めている。また、本稿では触れなかったが、当社は研究開発本部として創薬における研究ステージと開発ステージの活動を一体的に運用しており、開発ステージでも独創的な研究から生まれたパイプラインを世界中の患者さんへと届けるためのグローバル開発体制を構築するなど、研究から開発までの一連の流れにおける生産性向上にも取り組んでいる。製薬産業は、創薬の成功確率の低下や、研究開発における患者中心の概念取り入れなどの新たな社会的要求の高まり、医薬品開発のグローバル化の進展など、産業全体として多くの課題に直面している。このような厳しい事業環境のもとであっても、当社が目指す「圧倒的な競合優位性をもつLife-changingな価値」を患者さんやそ110図4 協和キリングループの価値観
元のページ ../index.html#10